SaaS型サービスデスクとは? 概要と導入のメリットを解説
2025.2.3
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人手不足が深刻化する一方で、顧客ニーズは多様化し、より迅速な対応が求められる現代。多くの営業部門では、業務の属人化や、それに伴う機会損失といった課題を抱えています。このような状況を打開し、営業活動の生産性を飛躍的に高める一手として、今「チャットボット」の活用が大きな注目を集めているのです。
本記事では、営業部門におけるチャットボット活用の目的やメリット、具体的な活用シーンを徹底解説します。さらに、導入時の課題や解決策、成功事例、そして自社に適したツールの選び方まで網羅しているため、読了後にはチャットボットを導入する具体的な道筋が見えてくるはずです。
目次

営業部門にチャットボットを導入することで、具体的にどのような目的を達成でき、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここでは、チャットボット活用の「主な目的」と、それによって得られる「期待されるメリット」の2つの側面から詳しく解説します。
チャットボット活用の主な目的は、以下の通りです。
上記の目的を達成することで、企業は多くのメリットを享受できます。
メリットの一つは、定型業務から解放された営業担当者が、商談やクロージング、顧客との関係構築といった、より付加価値の高いコア業務に集中できるようになることです。Webサイト訪問者への自動声かけやヒアリングを通じて、質の高い見込み客(リード)を効率的に獲得・育成できるようになるでしょう。
またチャットボットを社内FAQとして活用すれば、営業担当者が必要な情報を自己解決できるため、教育コストの削減とナレッジ共有の促進にもつながります。蓄積された顧客との対話データは、営業戦略を高度化するための貴重な資産となるでしょう。

では、実際に営業部門では、チャットボットをどのように活用できるのでしょうか。ここでは、顧客や見込み客に対応する「社外向け」の活用シーンと、営業担当者の業務を支援する「社内向け」の活用シーンに分けて、具体的な例を紹介します。自社のどの業務に適用できるかをイメージしながら、読み進めてみてください。
チャットボットを導入すれば、Webサイトに訪れた顧客に対し、24時間365日体制で一次対応やFAQ応対を行えます。訪問者の疑問を即座に解決するだけではなく、対話を通じて自然な流れで見込み客の課題やニーズをヒアリングし、質の高いリード情報を獲得することも可能です。その上で、関心度の高い見込み客を適切な資料請求ページや問い合わせフォームへスムーズに誘導できます。
さらに、簡単な見積もりを自動で計算したり、顧客のニーズに合った製品を案内したりと、営業担当者に代わって商談の初期段階を担わせることも可能です。ウェビナーやイベントの申し込み受付といった定型業務の自動化も、有効な活用法の一つです。
チャットボットは、営業担当者の業務を支援する強力な社内ツールにもなります。頻繁に寄せられる製品情報や業務プロセスに関する質問を社内FAQとして集約すれば、担当者は知りたいときに自己解決でき、教育担当の負担も軽減します。SFAやCRMと連携させることで、外出先からでもチャット形式で顧客情報や案件の進捗の確認が可能です。
その他、必要な営業資料や提案書のテンプレートをチャットボットに尋ねるだけで即座に入手したり、新人営業担当者向けの研修コンテンツとして活用したりと、活用の幅は多岐にわたります。

多くのメリットがある一方で、営業部門でのチャットボット導入が必ずしも順調に進むとは限りません。事前に起こりうる課題を把握し、対策を講じることが成功の鍵となります。ここでは、導入プロジェクトで直面しがちな4つの主な課題を解説します。
せっかくチャットボットを導入しても、肝心の営業担当者や顧客に利用されなければ意味がありません。この問題の背景には、チャットボットの存在が社内外に十分に認知されていなかったり、Webサイトのどこにあるか分かりにくかったりするケースが多く見られます。また、操作性が悪い、回答が役に立たないといった初期体験の悪さが、その後の利用意欲を削いでしまうことも、利用率が上がらない大きな原因です。まずは「使ってもらう」ための導線設計と、存在価値のアピールが求められます。
チャットボットの回答精度が低いと、業務効率化どころか顧客満足度の低下に直結する恐れがあります。これは、ユーザーの質問意図を正しく汲み取れずに的外れな回答を繰り返したり、メンテナンス不足で古い情報や誤った内容を提供してしまったりするケースです。このような不適切な対応は、顧客が抱える問題を解決できないばかりか、「話が通じない」という大きなストレスを与えます。結果として、顧客の不信感を招き、企業のブランドイメージを損なうリスクが生じてしまいます。
チャットボットは導入して終わりではなく、継続的なメンテナンスによって価値を維持・向上させるツールです。しかし、FAQの更新や設定変更といった運用業務を特定の担当者一人に依存してしまうと、その担当者が異動や退職をした途端に運用が停止するリスクが生じます。担当者不在の期間が続けば、定期的なメンテナンスは行われず、チャットボットの情報はどんどん陳腐化していくでしょう。これは、前述した回答精度の低下という問題に直結し、負のスパイラルに陥る原因となります。
導入効果を可視化できていないことも、運用が形骸化するよくある課題の一つです。「問い合わせ件数〇%削減」や「リード獲得数〇件増加」といった具体的な目標(KPI)を設定せずに導入してしまうと、何をもって成功と判断すれば良いかの基準が曖昧になります。効果測定ができなければ、どこを改善すべきかという分析もできず、改善のサイクルが回りません。最終的には、投資対効果(ROI)を経営層に示せず、継続的な運用予算の確保が困難になる可能性もあります。
前述した4つの課題は、それぞれ独立しているようで、実は根深い原因でつながっています。なぜこれらの課題が発生してしまうのでしょうか。ここでは、その背景にある4つの根本原因を解き明かし、導入の失敗を未然に防ぐためのヒントを探ります。
利用率が上がらない直接的な原因は、ユーザー目線での設計が欠けていることです。チャット画面の文字が小さい、ボタンが押しにくいといった直感的でないUIや、Webサイトの隅に追いやられて見つけにくい設置場所では、そもそも利用してもらえません。
またいざ開いても「何を聞けばいいのか」「どう質問すればいいのか」とユーザーが迷ってしまうような設計も、利用のハードルを上げてしまいます。使いやすさへの配慮不足が、活用の定着を妨げる大きな壁となります。
回答精度の低さは、チャットボットに学習させるデータの質と量に起因します。FAQの数が極端に少なかったり、一つの回答に情報が詰め込まれ過ぎて分かりにくかったりすれば、チャットボットは適切に応答できません。また社内用語で書かれたナレッジをそのまま学習させても、顧客が実際に使う平易な言葉や多様な質問のバリエーションに対応できないため、精度は上がりません。既存の情報をチャットボット用に適正化する手間を惜しむことが、精度の低い「使えない」ボットを生む原因です。
運用の属人化やチャットボットの陳腐化は、明確な運用体制を構築せずに導入してしまうことで引き起こされます。多くの場合、担当者は他の重要業務と兼務しており、チャットボットの分析や改善に十分な時間を割けないのが実情です。「誰が、いつ、何をすべきか」という運用ルールや更新フローが決まっていなければ、メンテナンスは後回しにされがちです。結果、改善されないまま放置され、誰も使わないツールになってしまいます。
これまで挙げた全ての原因の根底にあるのが、導入目的の曖昧さです。「何のために導入するのか」という目的が社内で明確に共有されていなければ、具体的な数値目標(KPI)も設定できません。成果の基準がなければ効果検証はできず、改善の方向性も定まらないため、担当者のモチベーション維持も困難になります。「とりあえず導入してみる」という曖昧なスタートが、最終的に「効果不明」という結果を招く大きな原因といえるでしょう。
では、これまで見てきたような課題や原因を乗り越え、チャットボット導入を成功させるには、具体的に何をすべきなのでしょうか。ここでは、導入プロジェクトを成功に導くための具体的な4つのステップを解説します。
最初のステップは、ユーザーが「使いたい」と思える環境を整えることです。Webサイトの目立つ位置への設置や、適切なタイミングでのポップアップ表示など、ユーザーが自然に見つけられる導線を設計します。直感的で分かりやすいインターフェース(UI)への改善や、質問入力のサジェスト機能の活用も、利用のハードルを下げるのに有効です。社内向けであれば、ポータルサイトへの導線確保や定期的な利用促進アナウンスを行い、まずは存在を認知してもらうことから始めましょう。
次に、チャットボットの「頭脳」となる学習データを強化します。既存のFAQを見直すだけではなく、実際に顧客や社員から寄せられる問い合わせ内容を分析し、FAQを追加・拡充していきます。その際、情報の鮮度を保つための定期的な更新フローを確立することが重要です。また類義語・同義語辞書を整備したり、チャットボットが回答できなかった質問(未解決問)を分析して改善に生かしたりと、地道なメンテナンスを繰り返すことで、回答精度は着実に向上します。
チャットボットの継続的な運用には、属人化を防ぐ体制構築が不可欠です。担当者を一人にせず、複数名で運用チームを組織しましょう。その上で「FAQ作成・更新担当」「分析・改善担当」といった役割を明確に分担することで、責任の所在が明らかになり、運用がスムーズになります。運用マニュアルや引継ぎ資料を整備して、知識やノウハウをチーム全体で共有することも、安定した運用を継続させるための重要なポイントです。
最後のステップは、成果を可視化し、改善し続ける仕組みを作ることです。「問い合わせ解決率」「リード獲得数」など、導入目的に合わせた具体的なKPIを設定しましょう。定期的にKPIを計測・分析することで、チャットボットの成果が可視化され、改善すべき点が見えてきます。このデータに基づき、改善策の実行と効果検証を繰り返すPDCAサイクルを回すことが、チャットボットを導入成功へと導く鍵となります。
最後に、実際にチャットボットを導入して成果を上げた営業部門の事例を2つ紹介します。自社の課題と照らし合わせながら、具体的な活用イメージを掴んでみてください。
工業用製品の製造、販売を行うある企業では、取り扱い製品が非常に多く、製造年月やモデルによって細かく仕様が分かれていました。そのため、外出先の営業担当者がすべての仕様を把握できず、社内の問い合わせ担当部署への電話が殺到。サポート部門の業務を圧迫する大きな要因となっていました。過去にチャットボットを検討したものの、膨大な学習データの準備が現実的ではなく、導入を断念した経緯がありました。
そこで、既存の製品仕様書や過去のデータファイルをそのまま「amie AIチャットボット」に学習させ、営業担当者が外出先からでも自己解決できる提案補助ツールとして活用を開始。手間のかかる学習データの作成が不要だったため、スムーズに正式導入へと至りました。問い合わせ担当部署の負担が軽減されただけでなく、営業担当者は顧客先で正確な情報を即座に提示できるようになり、提案のスピードと質の向上に貢献しています。
とあるシステム製造会社は、月に100件以上の問い合わせが社内から寄せられ、専門技術者の工数を圧迫しているという課題を抱えていました。3ブランド展開する自社製品は専門知識を要するものが多く、情報量が膨大で複雑なため、一つの正解を提示する従来のチャットボットでは対応が難しいと感じていました。
そこで、3製品すべてのマニュアルを、そのまま「amie AIチャットボット」に学習させるというシンプルな方法を採用。質問に対し、マニュアルの該当箇所を直接提示する仕組みを構築しました。これにより、これまで技術者に確認が必要だった専門的な内容も、営業担当者が自身で解決できるように。専門用語が分からなくても曖昧な単語で検索できるため、誰でも欲しい情報にアクセス可能になりました。結果、技術者は本来の開発業務に集中できるようになり、属人化していた知識の共有と工数削減という大きな課題を同時に解決しました。
営業部門でのチャットボット活用は、定型業務の自動化による生産性向上だけではなく、ナレッジ共有の促進やリード獲得の強化など、多岐にわたるメリットをもたらします。成功の鍵は、明確な目的設定と、導入後の継続的な改善活動にあります。社内に蓄積された営業資料やマニュアルといった「既存の資産」を有効活用し、情報の正確性を担保しながら営業活動を効率化してみてください。
「amie AIチャットボット」は、情報の正確性を担保したいというニーズに応えるツールです。AIが回答を自動生成するのではなく、既存のドキュメントの中からAIが適切な箇所をファイルごと提示するため、情報の正確性を損なうことなくナレッジ共有が可能です。複数の回答候補がサムネイルで分かりやすく表示され、ユーザー自身が情報を選べるため、営業担当者の自己解決力と顧客の納得感を高めます。
営業部門の生産性向上とナレッジ活用に関心をお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。