チャットボットの導入方法と具体的な手順を解説
2024.9.26
Contents
お役立ちコンテンツ
総務省が主導して行政のDX化が進められていることから、各自治体でもチャットボットを積極的に導入しています。チャットボットでは選択肢を選んだり、質問を入力したりするだけで求める回答を得ることが可能です。行政にとってメリットが多いため、導入を検討する担当者の方もいるでしょう。
本記事では、チャットボットの基本知識やメリットを解説しています。実際の導入事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
チャットボットとはチャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた造語で、ユーザーの質問に自動で回答してくれるプログラムのことです。チャットボットの歴史は、1960年代のアメリカで開発されたELIZA(イライザ)から始まったとされています。当時のチャットボットは定型文に対する回答しかできませんでした。しかし現在のチャットボットは、ユーザーの質問に対して柔軟な回答が可能です。ビジネスシーンでもチャットボットが利用されており、AppleのSiriやGoogleアシスタントなど、音声AIチャットは身近な例といえます。
またチャットボットはアルゴリズムの違いで、以下の2つに分類可能です。
それぞれの型について解説します。
シナリオ型チャットボットは事前に用意したスクリプトに従って、ユーザーの質問に回答するタイプのチャットボットです。AIを搭載しておらず、人工無能と呼ばれる場合があります。
フローチャート構造のシナリオが設定されており、選択肢と組になった回答を用意するのが特徴です。シミュレーションゲームと似た仕組みのため、内容の予測が可能な質問やタスクに対応できます。一方、表記ゆれへの対応やパーソナライズされた質問への回答は苦手です。特に複雑な質問や想定されていない質問には、対応できない場合があります。
機械学習型チャットボットは、AIを搭載している点が特徴です。ユーザーとの会話を学習し、データベースから適切な回答を抽出します。機械学習型チャットボットの運用には、膨大なデータの学習が必要です。自然言語処理や機械学習などの技術を用いて、より人間的な回答を自動で生成します。
シナリオ型チャットボットは表記ゆれに対応できませんが、機械学習型チャットボットは質問に使用されたキーワードから推測し、適切な回答が可能です。またユーザーとの会話を繰り返すことで学習データが蓄積されるため、回答の精度がより高まります。
チャットボットは一般企業だけでなく、自治体でも注目されるツールです。ここでは、自治体でチャットボットを導入するメリットを5つ解説します。
自治体でチャットボットを導入することで、行政の運営コストを削減できます。
例えば、行政の窓口にチャットボットを活用できれば、住民からの問い合わせ対応を担当する職員の数を減らせるため、人件費の削減が可能です。住民にチャットボットの利用を促すことで、同時に複数の質問に回答できます。職員が対面かつマンツーマンで対応する必要がなくなるため、多数の問い合わせがあっても、業務過多になる心配がありません。
またチャットボットの導入により、繁忙期にも少数精鋭で柔軟な対応ができるので、臨時従業員を雇用する必要がなくなるでしょう。
自治体でチャットボットを導入すると、住民へのサービス向上につながります。
住民からの問い合わせに自動で対応できるのは、チャットボットを活用するメリットの一つです。行政の窓口や電話口で長い時間待たせることがなくなるので、住民が不満を抱える心配がありません。自治体のホームページに設置されたチャットボットが質問に答えてくれれば、住民の利便性・満足度の向上が可能です。
また住民から寄せられた問い合わせを分析することで、ニーズを把握する際にも役立ちます。チャットボットはシナリオの組み換えが可能なため、住民のニーズを迅速に満たすシステムを構築できるでしょう。
チャットボットを自治体で導入するメリットは、職員の業務効率を向上させられる点です。
行政には住民から多数の問い合わせが寄せられるため、一日に何度も業務を中断しなければなりません。部署によっては、本来の業務を進められないこともあるでしょう。しかし問い合わせ件数が多い質問への対応でチャットボットを活用すれば、職員の手が空くため本来の業務に集中できます。
また職員の業務をサポートするために、チャットボットを活用することも可能です。必要な情報をデータベースから探し出してもらえば、業務効率の向上につながります。
多言語に対応できるのも、自治体でチャットボットを導入するメリットの一つです。
外国人の住民が多い自治体では、多言語への対応が課題となっています。インバウンド重要による外国人旅行者の増加もあり、多言語による対応が必要です。しかし、多言語に対応した職員を育成したり、雇用したりするにはコストがかかります。チャットボットを導入すれば、コストを抑えて外国人住民や旅行者のサポートが可能です。
日本では国際化が進んでいるので、多言語に対応したチャットボットの活用により、誰もが住みやすい自治体へとアップデートできるでしょう。
自治体でチャットボットを導入することで、人手不足の解消が期待できます。
日本は少子高齢化社会が進んでおり、人口減少が続く状態です。人口が増加する見込みはなく、業界や職種を問わず人手不足に陥ると予想されています。行政でも人手不足になる恐れがあり、職員への負担が大きくなるでしょう。そのため、職員の採用以外の方法で対策を取らなければなりません。これまで有人で担当していた業務をチャットボットに任せることで、人手不足の解消が可能です。複雑な対応のみを職員が担当すれば、効率良く業務を分担できるでしょう。
自治体でのチャットボットの導入事例を紹介します。
大阪府守口市では、AIを活用したごみ出しに関する自動電話音声対応とチャットボットによるごみ分別ガイドを併用しています。
市に寄せられるごみ分別に関する問い合わせに対して自動対応サービスを導入したところ、市民は電話口で待たされることなく質問に対する回答が得られるようになりました。AI電話相談とごみ分別ガイドのチャットボットを並行して稼働させたことで、電話相談の件数が約15%カットされています(※)。
AI電話相談とチャットボットの導入には、市民からの問い合わせに24時間対応する狙いがありました。時間外や休日にも問い合わせに対応できるため、市民サービスの向上にもつながっています。
※参考:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」,P63. https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf ,(参照2024-08-25).
愛知県では自治体から要望を受けて、あいちAI・ロボティクス連携共同研究会を設置し、AIチャットボットの導入を検討しました。導入の判断は各自治体に委ねられており、2020年11月時点で39市町村が導入しています(※)。
AIチャットボットによる問い合わせは、引っ越し・出産・妊娠など主に市民の生活に関わる内容に対応可能です。県内の自治体にAIチャットボットを導入したことで、職員の問い合わせ対応の時間減少に成功しました。問い合わせ方法の増加と24時間対応により、市民の利便性向上にもつながっています。
愛知県では問い合わせへの回答精度を向上させるために、各自治体で追加学習を実施しています。
※参考:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」,P61. https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf ,(参照2024-08-25).
埼玉県戸田市・川口市では、AIを活用した申請受付・審査支援システムを導入しています。
従来は行政への来庁が必要であった申請受付にチャットボットを導入したことで、問い合わせ対応・申請・本人確認・手数料支払いまでがスマートフォンで完結するようになりました。
戸田市・川口市によると、チャットボットと審査支援の導入で住民側は最大28.3万時間/年、職員側は最大2万時間/年の時間削減になると試算しています(※)。また、来庁不要となったことで、業務の効率化だけでなく職員のテレワーク推進も実現が可能です。今後は審査結果以降の業務のデジタル化を課題として挙げています。
※参考:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」,P62. https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf ,(参照2024-08-25).
政令指定都市では、AIを活用した指定管理者制度への問い合わせ対応を実施しています。指定管理者制度導入施設を所管する庁内複数課では、さまざまな問い合わせに一元的に対応しています。しかし、類似する質問が多数寄せられることで、指定管理者制度の担当者への負担が増大していました。
AIチャットボットの導入により、類似の質問にはAIが対応できるようになったため、職員の負担軽減や業務の効率化につながっています。また、チャットボットを利用して気軽に質問できるようになり、軽微な質問も寄せられるようになりました。AIチャットボットによって問い合わせのハードルが下がったことで、これまで表面化していなかった疑問なども把握できるようになっています。
※参考:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」,P78. https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf ,(参照2024-08-25).
福島県会津若松市では、AIを活用したチャットボットによる問い合わせへの自動応答サービスを導入しています。市民からよくある問い合わせや各種証明書発行の申請手続きに関する質問について、対話形式で応答する仕組みを構築しました。
会津若松市では以下の項目に対して、チャットボットを活用しています。
土日や夜間でも行政に問い合わせできるようになり、市民の利便性が向上しました。市民アンケートの結果では、80%以上の方が好意的な反応を示しています(※)。また、問い合わせに関するデータを分析することで、行政サービスの向上にもつながっています。
※参考:総務省「地方自治体における新たな技術の活用状況について」,P12. https://www.soumu.go.jp/main_content/000601804.pdf ,(参照2024-08-25).
※参考:会津若松市「会津若松+(プラス)『LINE de ちゃチャット問い合わせサービス』がはじまっています」https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2017122100042/,(参照2024-09‐06).
福井県永平寺町では、AIチャットボットを活用した観光案内により業務の効率化を図っています。
永平寺町には年間で約100万人の観光客が訪れますが、これまで観光案内所が整備されていませんでした(※)。また主要観光施設の永平寺にZEN(禅)を通じて外国人観光客が訪れるため、インバウンドへの対応が求められています。そこで、観光案内所で外国人観光客を迎えるために、AIチャットボットの観光案内多言語AIコンシェルジュを導入しました。英語・中国語・韓国語などに対応しており、永平寺町や隣接市の観光案内を実施しています。
結果として、多言語に対応した職員の常時雇用と比べて、ランニングコストの削減が可能となりました。
※参考:総務省「地方自治体における新たな技術の活用状況について」,P13. https://www.soumu.go.jp/main_content/000601804.pdf ,(参照2024-08-25).
岡山県和気町ではAIを活用したチャットボットの「わけまろくん」を導入して、住民サービスの充実化を図っています。わけまろくんの導入前は、担当職員が問い合わせに直接対応していました。しかし、担当者の不在時や業務時間外には、住民の問い合わせに対応できません。
AIチャットボットの導入により、24時間いつでも問い合わせへの対応が可能になりました。チャットアプリのLINEやホームページ上で動作するため、利用者が質問するだけで該当する情報を自動で案内してくれます(※)。
これまでは問い合わせ窓口が担当部署ごとに分かれていましたが、情報を一元化でき効率的に提供できるようになりました。また、業務時間外でも問い合わせられるため、利便性の向上も期待されています。
※参考:総務省「地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例」,P4. https://www.soumu.go.jp/main_content/000595981.pdf ,(参照2024-08-25).
東京都港区では、区民サービスの向上と働きやすい職場づくりのためにAIを積極的に活用し、業務の自動化やサービス提供に取り組んでいます。
平成31年1月には、外国人居住者に向けて多言語AIチャットサービスの運用を本格的に開始しました。東京都港区には約2万人の外国人が居住しており、国籍は約140カ国に上ります(※)。外国人に正確かつニーズに合った情報を提供するために、AIチャットボットが導入されました。
AIチャットボットではFacebookのメッセンジャー機能と連携して、行政情報に関する問い合わせや、英語・やさしい日本語による自動回答を提供しています。港区では行政情報や用語をAIに学習させており、区民サービスのさらなる向上を目指しています。
※参考:総務省「地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例」,P5. https://www.soumu.go.jp/main_content/000595981.pdf ,(参照2024-08-25).
※参考:港区「チャットボットについて」https://www.city.minato.tokyo.jp/kouhou/kuse/koho/chat.html,(参照2024-09‐06).
長崎県大村市では、AIを活用した自動応答サービスによる業務効率化に取り組んでいます。大村市では人手不足や複雑化する業務のために、職員の負担が増加しています。業務負担を軽減する目的で、職員が業務を行う上で不明な点を自動で応答する「AIおむらんちゃん」を導入しました。
AIチャットボットは各課の業務マニュアルや、他課からよくある問い合わせを学習しています。これにより、職員の知識サポートや問い合わせへの対応時間の削減が可能となりました。二次的な要素として、全職員がAIに触れる機会を作ったことで、AI活用に有用な知見の獲得につながっています。
また、今後は市民向けのAI自動応答サービスの開始を検討しており、市民の利便性向上も期待されています。
※参考:総務省「地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例」,P16. https://www.soumu.go.jp/main_content/000595981.pdf ,(参照2024-08-25).
大阪府大阪市では、AIによる自治体職員の業務支援を実施しています。
AIチャットボット導入の目的は職員の経験年数を問わず、AIを活用して的確かつ迅速な判断を行うことです。複雑な制度やベテラン職員のノウハウをAIに学習させ、市民対応の時間短縮と正確性の向上を目指しています。
行政業務の中でも戸籍業務は関係法令の多さや複雑な事例から、市民の問い合わせや審査が職員の負担となっていました。また、職員の退職や短期間での人事異動などにより、専門的な知識や経験が十分に継承されていない状況です。
そこでAIチャットボットの導入により、人材育成やベテラン職員が培った専門知識や経験の継承が期待されています。また、経験が浅い職員でもAIを活用すれば、市民対応の時間短縮や正確性の向上が可能です。
※参考:総務省「地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例」,P17. https://www.soumu.go.jp/main_content/000595981.pdf ,(参照2024-08-25).
埼玉県では県庁職員からの問い合わせに対して、AIチャット形式で自動応答するヘルプデスク AIの運用を平成30年10月に開始しました。庁内で特に問い合わせの多い県庁LANと業務システムへの対応を行った結果、導入前と比較して電話問い合わせの件数が1年で約10%減少しています(※)。
また、庁内向けチャットボットの運用を経て、令和元年には県民向けシステム埼玉コンシェルジュの開発を開始しました。県のホームページやスマートフォン用アプリ「まいたま」、チャットアプリLINEから埼玉コンシェルジュにアクセスできます。画面に質問を入力するだけでAIが自動応答し、年間で約3,000時間分の業務削減効果が期待できる見込みです。
※参考:彩の国さいたま人づくり広域連合「埼玉県におけるAI、RPA等先進技術を活用した取組~スマート自治体の実現に向けて~」,P3. http://www.hitozukuri.or.jp/wp-content/uploads/thinking21_42-47_20220307.pdf ,(参照2024-08-25).
富山県富山市では観光客の利便性向上を目的として、スマートフォンやタブレットで利用できるAIを活用した観光案内チャットボットを導入しました。
利用者がチャット画面で観光に関する質問を入力するだけで、AIが質問にいつでも回答してくれるサービスです。日本語だけでなく英語にも対応しているため、外国人観光客にも情報提供が可能です。チャットボットの利用にアプリのインストールは必要なく、Webサイトから簡単にアクセスできます。また、アフターコロナのインバウンド需要を見据えて、AIチャットボットによる外国人向け観光案内サービスも開始しました。言語は英語に対応しており、訪日外国人への効率的な観光情報の提供や観光スポットへの誘導が期待されています。
※参考:富山市「観光案内用AIチャットボットサービスの開始」.https://www.city.toyama.lg.jp/bunka/kanko/1010539/1005770.html ,(参照2024-08-25).
※参考:富山県「AIチャットボットによる外国人向け観光案内サービスの開始について」. https://www.pref.toyama.jp/140113/miryokukankou/kankoutokusan/kankou/aichatbothp.html ,(参照2024-08-25).
高知県では県民のサービスを向上するために、「AI-FAQシステム」を導入しています。AI-FAQシステムは県の公式サイトから利用でき、以下5つのカテゴリに関する質問への回答が可能です。
県民からよくある質問に対して、AIチャットボットの「くろしおくん」が24時間いつでも回答してくれます。多くの県民が利用することで、回答内容の充実や制度の向上につながるのが特徴です。
またAI-FAQシステムは、パソコンとスマートフォンのどちらからも利用できます。このシステムにより、県民はいつでも疑問を解消できるようになりました。県職員の業務効率の向上も期待されています。
参考:高知県「よくある質問に24時間自動応答する『AI-FAQシステム』を導入しました」https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/2021030400200/,(参照2024-09-09).
栃木県宇都宮市では、時間や場所を問わず知りたい情報が確認できるAI自動応答サービスの「教えてミヤリー」を提供しています。教えてミヤリーは日常的に利用しているチャットアプリのLINEを使って、ごみの出し方や子育てに関する情報など、身近な質問に回答してくれるのが特徴です。
受信したい情報を選んで登録でき、利用者に合わせて必要な情報を提供しています。2024年3月のリニューアル後は、宇都宮市への申請や夜間救急の混雑状況の確認など、便利な機能が追加されました(※)。LINEで友だち登録するだけで利用でき、チャット画面の質問から選択肢を選べば、必要な情報を案内してくれます。
※参考:宇都宮市「LINEで24時間回答『教えてミヤリー』」. https://www.city.utsunomiya.lg.jp/kosodate/kosodate/shien/1022084.html ,(参照2024-08-25).
神奈川県横浜市では、AIを活用して会話形式でごみの分別案内を行うチャットボットサービス、イーオのごみ分別案内を提供しています。
横浜市では平成17年にごみ分別品目が拡大したことで、ごみの分別が複雑化しました。燃えるごみに含まれる資源物の割合は減少しましたが、十分な分別ができておらず徹底が必要な状況です(※)。
イーオのごみ分別案内はアプリをダウンロードする必要がなく、横浜市のホームページに設置されたリンクから利用可能です。分別方法が知りたいごみの名前を入力するだけで、ごみの分別方法を提案してくれます。チャットボットの活用により、分別間違いの減少や分別に対する負担感の軽減が期待されています。
※参考:一般社団法人全国地域情報化推進委員会「AIを活用したチャットボット『イーオのごみ分別案内』」P1. https://www.applic.or.jp/pdf/future_21/03/10.pdf ,(参照2024-08-25).
参考:横浜市「ごみの分別を調べる」https://cgi.city.yokohama.lg.jp/shigen/chatbot/,(参照2024-09-06).
ご紹介したように、多くの自治体が積極的にチャットボットを導入しています。しかし、チャットボットの導入には注意点があるので、事前に把握しておきましょう。ここでは以下の注意点を具体的に解説します。
自治体でのチャットボットの活用で失敗しないためには、導入する目的を明確にしてください。
自治体が抱える課題によって、導入すべきチャットボットの種類が異なります。例えば、住民へのサービスを向上させたいなら、ニーズを分析できるチャットボットが必要です。問い合わせ対応に課題がある場合は、想定される質問と回答をチャットボットに学習させなければなりません。
また導入目的が明確でなければ、質問と回答を用意しても住民のニーズを満たせず、住民に利用してもらえなくなってしまうでしょう。まずは自治体が抱える課題を把握して、目的を達成するためのチャットボットを選びましょう。
自治体でチャットボットを導入した場合は、住民の個人情報や行政の機密情報を扱います。情報を外部に漏えいさせないために、徹底したセキュリティ対策を実施しなければなりません。
実施すべきセキュリティ対策は以下の通りです。
住民に対して、収集する情報に関する説明を行うことも重要です。またセキュリティ対策の一環として、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格のISMS認証を取得するのも良いでしょう。
自治体へのチャットボットの導入で効果を発揮するには、ユーザー体験を向上させるように心掛けましょう。
チャットボットの利用者が増えれば、問い合わせ対応の自動化や業務効率の向上などメリットが得られます。しかし、チャットボットが効果を発揮し続けるには、学習データの更新が必要です。初めのうちはチャットボットの回答に満足していても、ニーズに対応できなくなれば住民は不満を抱えるでしょう。求める回答が得られないことで、クレームにつながるケースもあります。
そのため、チャットボットにデータを学習させて、回答をアップデートし続けなければなりません。住民のユーザー体験を向上させるために、運用にどの程度の手間がかかるのかも把握しておきましょう。
自治体でチャットボットを導入する際は、定期的なメンテナンスを実施してください。
チャットボットは学習したデータから適切な回答を導き出しますが、不適切な回答をする可能性もあります。的外れな回答が続けば、行政の信用問題につながるかもしれません。チャットボットを活用する際はアルゴリズムの違いを問わず、定期的なメンテナンスによる回答内容の確認・修正が必要です。
AIが搭載されているとはいえ、チャットボットが質問と回答を正確に理解しているわけではありません。定期的なメンテナンスでデータを学習させて、回答精度を向上させましょう。
自治体にチャットボットを導入する際は、住民にとって分かりやすい場所に設置してください。
チャットボットを有効活用してもらうには、どこに設置するかが重要です。ホームページにアクセスしたときに、すぐ目に付く場所になければ、住民に利用してもらう機会が少なくなるでしょう。例えば、ホームページの目立つ場所にアイコンを表示させ、誰もが気軽に利用できるようにするのがおすすめです。
機械学習型チャットボットを導入しているなら、利用回数が増すごとに学習するため回答の精度を向上させられます。住民がチャットボットの存在に気付けるように、ホームページのデザインを工夫しましょう。
ビジネスシーンで注目されているチャットボットは、各自治体の行政でも導入が進んでいます。チャットボットの導入により、コストの削減や業務効率の向上が可能です。チャットボットを有効活用すれば、行政が対応できないときでも住民は疑問を解消できるようになります。働き方改革や将来的な人手不足に備えて、チャットボットの導入を検討してみましょう。
自治体でAIチャットボットを導入するなら、amie(アミー)がおすすめです。amieには生成AI技術が活用されており、社内ドキュメントやホームページで学習したデータを基に、適切な回答を提案します。またamieは質問に対して独自の回答を生成するのではなく、学習したデータからそのまま回答をピックアップするのが特徴です。
AIチャットボットの導入を検討している担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。