チャットボットとは? 導入による効果とメリット・デメリットを詳しく解説
2024.9.19
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チャットボットは役に立たないのではないかと思う方もいるでしょう。現に、チャットボットの導入に失敗したケースも存在します。しかしチャットボットの適切な使用によって、役立つツールにすることが可能です。
そこで本記事では、チャットボットが役に立たないといわれる理由と失敗例、その対策と成功例を詳しく解説します。導入に際し役に立つのか不安を覚えている方は、ぜひ参考にしてください。
チャットボットが役に立たないといわれる理由には、どのようなものがあるのでしょうか。初めに、チャットボットが役に立たないといわれる主な理由を4つ紹介します。
チャットボットが役に立たないといわれる理由として、まずはチャットボットやオペレーターの対応範囲の曖昧さが挙げられます。通常、チャットボットだけで全ての問い合わせに対応できるわけではありません。オペレーターと連携して対応するのが理想的ですが、ときに、どこまでがチャットボットで、どこからがオペレーターかといった線引きができていない場合があります。
チャットボットとオペレーターの対応範囲が曖昧であれば、ユーザーからの問い合わせ内容をうまく引き継げず、ユーザーおよびチャットボットを導入する企業からも、役に立たないと思われかねないのです。
AI機能を搭載したチャットボットを導入している場合、自然言語処理が十分でないことから、役に立たないといわれかねません。そもそも自然言語処理とは、人間が使う言語をコンピューターで処理する技術のことです。自然言語処理の技術には、AIチャットボットの回答の他、メールの自動振り分け、予測変換機能、記事の要約などが該当します。
近年、この自然言語処理の技術は革新を続けていますが、まだまだ十分ではありません。AIの学習方法などによって能力にばらつきがあり、スムーズに日本語会話ができないケースもあり、一概に役に立つとはいえないのです。
チャットボットが役に立たないといわれる理由の一つは、ユーザーエクスペリエンスの低下を招きかねないことです。チャットボットだけでユーザーの疑問が解決するわけではないという事実は、デジタル機器を一通り使いこなせるユーザーであれば想像がつくでしょう。しかしオペレーターとの連携がうまくいっていないと、ユーザーはストレスを感じる上、満足度も一気に低下してしまいかねません。
システム型・AI型のチャットボットともに、適切なトレーニングが行き届いていないことから役に立たないといわれてしまうケースもあります。AI型のチャットボットは自らが学習する機能を備えていますが、回答精度を向上させるためには質問を繰り返さなければなりません。また、システム型は質問と回答を覚え込ませるというトレーニングが必要です。FAQ(よくある質問)がチャットボットに教え込まれていないと、「このようなことも答えられないなんて」と、ユーザーを失望させかねないでしょう。
本来の機能は高いのに生かしきれていないと、ユーザーのサポートが十分にできないといった状況を招いてしまいます。企業によっては人員の問題などで、チャットボットを活用したいのに余裕がなく、AI機能の学習に回す手がないということもあり得ます。
せっかくチャットボットを導入するも、決して成功とはいえない結果を生んでしまっている企業は複数あります。ここからは、チャットボットによくある失敗例を4つ紹介します。
チャットボットの失敗例として、まず顧客のニーズを理解できていないケースが挙げられます。チャットボットを問い合わせの窓口として導入するなら、寄せられる質問に対し、顧客の求める回答を与えるのが本来のゴールです。しかし、FAQが登録されていないなど、チャットボットでもこれくらいは答えてくれるだろうと顧客が思う対応ができなければ、それは導入に失敗しているといえます。
回答の不整備に関する問題は、単にチャットボットを生かしきれていないだけでなく、FAQの数が数百に及ぶ(チャットボットに登録しきれない)、一問一答などの簡易なやり取りで解決する問題が少ないといったケースでも起こり得ます。顧客のニーズとチャットボットの対応範囲を照らし合わせた結果、導入しているチャットボットの機能が十分ではないのは発生し得ることです。
顧客の質問に対応しきれないのは、チャットボットのスペック・機能だけでなく、精度の低さによるケースもあります。チャットボットは導入したらそれで終わりではなく、顧客から寄せられる質問を元に、学習を重ねて精度を磨いていかなければなりません。公開前の学習やテスト運用が十分でなく、回答精度が低いままという例もあります。
そもそもチャットボットには得意・不得意があります。チャットボットは型通りの回答をすることは得意ですが、個別の調査を必要とするような複雑な質問に対する回答は得意とはいえません。もし選択式・自由入力式のうち、自由入力式を導入していれば幅広い質問・回答が可能です。ただし、顧客の検索スキルが低い場合、何を書いて良いのか分からず、対応を求めることすらできないという失敗例もあります。
導入のタイミングを見誤ったばかりに、顧客にうまく利用されず、失敗に終わってしまう例も見られます。チャットボットを導入し、利用してもらうためには、まず存在を知ってもらうことが何より重要です。存在を知らなければスルーされてしまいかねず、顧客は通常どおりオペレーターへの問い合わせを続けるでしょう。質問が寄せられないことで、チャットボットも思うように学習できず、精度の向上も期待できません。
顧客サポートとして導入するならホームページや公式SNSに、社内ヘルプデスクのサポートとして取り入れるなら社内メールやチャットツールなどを通して、導入前からのアナウンスを強化することが欠かせないのです。なお、チャットボットが利用されず失敗してしまうのは、導入のタイミングによるものだけではありません。どこに設置されたのか分からない、人に聞いた方が早いと思ってしまう、使ってみたけど役に立たなかったといったケースもあります。
チャットボットの運用体制が整っていないばかりに、メンテナンスが不十分で失敗してしまう例もあります。メンテナンスが行き届いていないと顧客の求める回答ができず、ユーザーエクスペリエンスが低下したり、かえってオペレーターの負担が増えたりする可能性も否めません。
チャットボットで成功を収めるためには、適切な担当者を選出し、定期的なメンテナンスを含めた運用体制を敷くことが基本です。特にシステム型のチャットボットの場合、質問・回答を逐一覚え込ませなくてはならず、導入後も定期的なアップデートが必要となります。またメンテナンスを実行したとしても、あまりに高い知識を持った担当者が行った場合、顧客の悩みにマッチしない(レベルが高過ぎて理解できない)回答をしてしまう恐れもあります。担当者の知識レベルも、メンテナンスの質に大きく関わってくると覚えておきましょう。
チャットボット導入による失敗は、導入時の対策で防げるケースもあります。ここでは、チャットボット導入時に覚えておきたいポイントを4つ紹介します。
チャットボットを導入するときは、ユーザーのニーズを正しく把握することが先決です。先述の通り、ユーザーのニーズを理解できておらず失敗してしまうケースは少なくありません。
ユーザーのニーズを満たしたチャットボットにするためには、本格的に導入する前にテスト運用を行ってみましょう。FAQを覚えさせ、ユーザーから来るであろう質問に対する回答を備えても、実際に導入してみないと分からないこともあります。テスト運用の結果を元に、既存のFAQやシナリオを修正すれば、ユーザーのリアルなニーズを満たす回答を用意できます。またユーザーの悩みに対し機能が不十分だと分かれば、導入するチャットボットの種類を検討するきっかけにもなるでしょう。
ユーザーのかゆいところに手が届くチャットボットは、ユーザーエクスペリエンスを向上させる対策にもなります。
AIチャットボットの導入を検討しているなら、より高い自然言語処理技術を備えているかどうかを条件に加えてみてください。チャットボットの学習能力を左右するのが、自然言語処理技術です。前述の通り、自然言語処理技術が低いと顧客のニーズを正しく学習できず、日本語での会話もままならない上に、役に立たないといわれかねません。
高度な自然言語処理技術を備えたAIチャットボットを選べば、顧客の求めている回答ができるようになり、スムーズな日本語会話ができるようになる日も遠くないでしょう。
システム型のチャットボットを導入するときは、操作性の高さに着目してみてください。質問・回答をあらかじめ用意して覚え込ませるシステム型のチャットボットには、プログラミング的な思考を必要とする条件式の設計タイプと、グラフィックな要素を多く取り入れ直感的に操作できる設計タイプの2つがあります。
直感的に操作できるチャットボットであれば、画面を見ながら感覚で構築・修正できるため、プログラミングに関する専門知識は必要ありません。担当者だけに負担が偏らず、企業全体で運用をサポートできる仕組みを作ることにも一役買ってくれます。
メンテナンス不足による失敗を回避したいなら、チャットボットに定期的なトレーニングとメンテナンスの機会を与えましょう。いずれのチャットボットも、成果を出す上でメンテナンスが重要です。断続的にメンテナンスを行い、顧客とのやりとりの中で生じた歪みを埋めていくことで、より理想的なチャットボットが完成します。
定期的なトレーニング・メンテナンスを実行するためには、社内での運用体制の整備が欠かせません。チャットボットの種類にもよりますが、最初はトラブルや不具合が起こることも少なくないため、できるだけ専門的な知識を持つ人員を配置するのが好ましいです。また他社の開発したチャットボットを導入する場合は、サポート体制がしっかりしているかどうかも合わせて注目しましょう。
チャットボットは役に立たないといわれることがある一方で、企業の活用方法次第では、導入に成功するケースも多々あります。ここからは、チャットボットの成功事例を3つチェックしてみましょう。
チャットボットを導入し、成功を収めたケースとして、代表的なのが顧客サポートの効率化が図れたという例です。先述の通り、チャットボットに問い合わせの一次対応を任せれば、時間帯を問わず顧客を待たすことなく回答を与えられます。オペレーターはチャットボットが一部を請け負ってくれることで、FAQや説明書に載っているような比較的簡単な問い合わせに手を取られず、通常業務も滞りません。
とある企業では、チャットボットが問い合わせ対応をすることで、オペレーターにかかる人件費を削減させられた例もあります。顧客にとっても、チャットボットから全ての回答が得られるわけではないとはいえ、電話がつながらない、メールの返信がなかなか来ないといったストレスが少ないのは大きいでしょう。チャットボットを顧客サポートに付け、オペレーターの業務効率とユーザーエクスペリエンスの向上、そしてコスト削減に成功した企業もあります。
小売業者がチャットボットを導入して、販売促進の効果が上がった例もあります。
チャットボットは質問に答えるだけでなく、顧客から寄せられる質問内容ややり取りのログを残します。それらのログを分析すれば、顧客のニーズを鋭く察知し、商品開発および既存商品の見直しに生かせるのです。
とある化粧品メーカーでは、AIチャットボットを商品解説に導入し、成功した例も見られます。チャットボットには商品の使い方と料金を覚え込ませ、顧客の質問に対しオリジナルの回答を与えられるようにしておきます。顧客は商品の知識を付けるほどに興味が増し、購入を検討するものです。
また商品のコーディネートや着こなしを提案する、スタイリングAIという名のチャットボットを導入したファッションブランドもあります。画像認識技術を搭載して写真をアップロードできるようにすれば、体型・好みに基づいた提案も可能となり、購買意欲促進にもつながったのです。
チャットボットを通じて顧客のニーズにマッチした商品を開発・提案できれば、おのずと売れ行きも伸びるでしょう。
近年では、チャットボットを社内ヘルプデスクに導入し、社内業務の自動化に寄与した例もあります。チャットボット=顧客サポートといったイメージが強いかもしれませんが、社内向けのチャットボットは、業務効率および従業員の満足度向上にもつながっています。
社内ヘルプデスクに所属するオペレーターの手が塞がっているときは、従業員が問い合わせをしてもすぐに回答が得られず、業務で立ち止まってしまうかもしれません。そこでチャットボットを導入して対応を自動化し、FAQやマニュアルに載っている内容についてすぐに回答を与えられる仕組みを作ることで自動化を図る企業があります。もしチャットボットだけで解決できない質問であっても、人から人への引き継ぎと違い、伝え漏れや対応漏れがありません。問い合わせ対応だけでなく、従業員間でのナレッジ共有にも大いに活用でき、企業に対する従業員の評価も上がるでしょう。
つまり、社内へのチャットボット導入は、企業全体の業務効率向上および社内コミュニケーションにも大きく貢献しているのです。
社内にITの専門知識を備えた人材がいないなら、グラフィカルな要素を多く取り入れたamie(アミー)のチャットボットがおすすめです。先述の通り、直感的に操作できるチャットボットは幅広いユーザーの利用を促します。amieのチャットボットは、問い合わせの結果がサムネイル画像として表示されるため、一目で内容を理解できるでしょう。
さらに資料を既定の位置にドラッグするだけで、最短約3分で学習が完了します。導入時に時間を取られがちなシナリオの準備や学習データの整形なども不要です。「チャットボットを導入したことはあるけれど、失敗・挫折してしまった」という担当者の方も、ぜひ導入をご検討ください。