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データカタログとは? 導入メリットや活用事例を分かりやすく解説

データカタログとは? 導入メリットや活用事例を分かりやすく解説

どの企業も膨大な情報資産を抱えています。しかし、保有するデータ量が増えれば増えるほど、管理が難しくなり、有効にデータを活用できていないケースも少なくありません。そこで今注目されているのが、データを整理し、分かりやすくまとめた「データカタログ」です。

本記事では、データカタログの基本情報や注目される背景、導入のメリットや課題などを解説します。データカタログ導入によって成果が得られた事例も紹介するため、データ活用に課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

データカタログとは?

データカタログとは、企業が保有するデータのメタデータをはじめ、データに関する関連情報を一元管理し、欲しいデータの検索を可能とするシステムです。

メタデータとは、データに関する情報をまとめたデータを指します。メタデータには、以下のような情報が含まれています。

  • 基本情報:ファイル名、作成者、作成日、最終更新日、格納場所、ファイル形式、ファイルサイズ
  • 内容関連:データの概要、バリエーション、変更履歴
  • セキュリティ:アクセス制御、セキュリティポリシー

要するにデータカタログは、各データのこれらの情報を、一般的な冊子のカタログのようにまとめたものです。データカタログを見れば、そのデータに「欲しい情報が入っているのか」「どのようなバリエーションがあるのか」などが理解できます。データを検索する機能も付いているため、膨大なメタデータの中から必要な情報を含むデータを効率的に絞り込むことも可能です。

近年多くの企業でDXが推進されていますが、その上でもデータカタログは欠かせません。データのデジタル化はDX推進の第一歩ではありますが、デジタル化したデータを活用するには、必要とするデータがすぐに見つけられるように整備する必要があります。IT部門の社員であれば、必要なデータを見つけるのはそれほど難しくない可能性が高いですが、非IT部門の社員にとっては、膨大なデータの中から必要なデータを見つけ出すのは大変です。

データカタログの構築によって、社員の誰もが「どこにどのデータがあるのか」が分かるようになります。データカタログは、DX推進における基盤といっても過言ではないでしょう。

データレイクにはデータカタログが欠かせない

データレイクとは、さまざまなデータを元の状態のまま格納できる広大な格納庫のようなものです。ExcelファイルやPOSデータなどの構造化されたデータはもちろん、テキストや画像、動画などの構造化されていないデータや、JSONファイル、XMLファイルといった半構造化データもそのまま格納できます。

タイプの異なるさまざまなデータを包括的に管理できるデータレイクは、ビッグデータの分析や、異なる種類のデータを組み合わせた分析などに欠かせません。形式の異なるデータを一元管理することで、コストの削減にもつながります。

データレイクにはさまざまなデータが大量に格納されているため、そこから必要なデータを探し出すのは大変です。そこで必要になるのが、データカタログです。データカタログがあることによって、データレイクから必要なデータを効率的に取り出せます。

データカタログが注目される背景

データカタログが注目されるようになった背景には、企業が保有するデータ資産の急激な増加があります。DX推進に伴い、紙のデータをデジタル化する企業が増えました。蓄積した膨大なデータから必要な情報を素早く探し出し、活用するには、効率的な検索ができる仕組みが必要です。そこで、データカタログの存在に注目が集まるようになりました。

また多くの企業がナレッジの利活用や属人化に課題を感じています。ナレッジを共有し、利活用するには、必要なデータが検索しやすい状態にしなければなりません。データカタログを構築して社内で共有すれば、誰もが必要な情報を簡単に検索でき、ナレッジを利活用できるようになります。社員全員が同じ知識を持ち、データの有効活用ができるようになるため、属人化の解消にもつながっていくでしょう。

ビッグデータ分析やAI分析などの高度なデータ活用を通じて、既存のデータから、新たなビジネスチャンスを創出できる可能性も高まってきました。ビッグデータ分析やAI分析を行うには、メタデータやデータを整備しなければなりません。こういった背景も、メタデータを一元管理できるデータカタログの注目度の高さに影響しているでしょう。

データカタログの主な機能

データカタログの主な機能には、以下のようなものがあります。

機能 内容
メタデータの自動収集・可視化 データからメタデータを自動で収集し、データとして蓄積する。
データの検索 キーワード検索やフィルタリングなどにより、データのスムーズな検索をサポートする。
分類機能 データを分類し、必要なデータの絞り込みをサポートする。
ユーザー評価・コメント機能 データにユーザー評価やコメントを付けられる。データの利用方法や注意事項などの、ナレッジ共有に役立つ。
アクセス制御 ユーザーごとにデータのアクセス権限を設定できる。
利用ログ管理 データの作成・使用・変更・保管・廃棄などのログを記録・管理できる。

データカタログの導入メリット

ここからは、データカタログを導入する4つのメリットを解説します。

業務スピードを高められる

データカタログを導入すると、業務のスピードを高めることが可能です。

さまざまな場所に社内データが保管されている場合、それぞれの場所を確認し、必要なデータがあるかどうかを確認しなければなりません。しかし、データカタログを活用すれば、あらゆるタイプのデータを一元管理でき、高度な検索機能によって、簡単にデータの検索ができます。

これまでと比べてデータの検索スピードが飛躍的にアップするため、業務スピードも改善されるでしょう。

データガバナンスを強化できる

データカタログ導入のメリットの一つは、データガバナンスを強化できることです。

データガバナンスを強化するためには、データを可視化し、どこに何があるのかが分かるようにしなければなりません。データを可視化できるデータカタログの導入によって、保有している情報資産が明確になるため、データの品質やセキュリティが確保しやすくなります。

またアクセス制限の設定や利用ログ管理も、データガバナンスの強化に役立ちます。コメント機能でデータの利用条件や規制要件を明示しておけば、コンプライアンスの遵守にもつながるでしょう。

属人化の解消が目指せる

属人化の解消が目指せることも、データカタログ導入のメリットです。

データカタログを導入すると、データの所在が明確になる他、データの意味や利用方法なども登録できます。また個人フォルダなど、特定の人しか確認しなかった場所に格納されていたファイルなども、一元管理が可能です。

その結果、情報共有が促進され、特定の社員に依存しない業務体制を構築できます。

データ活用の土台作りができる

データカタログの導入によって、データ活用の土台を築けます。

ビッグデータ分析やAI分析を行うには、データを効率よく正確に扱えるように、データ基盤を構築しなければなりません。またデータを分析・可視化するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールと連携する上でも、データ基盤の構築は必要不可欠です。

膨大なデータをデータカタログで一元管理することで、より高度なデータ活用の下支えとなります。

データカタログ導入時の課題と対策

データカタログを導入する際には、どのような課題があるのでしょうか。データカタログ導入時に企業が抱えやすい課題と対策を解説します。

メタデータの収集範囲と対象の明確化

データカタログ導入時の課題として、メタデータの収集範囲と対象の明確化があります。メタデータの収集範囲や対象が適切でない場合、十分に活用できないデータカタログになってしまいます。

収集範囲や対象は、データカタログを作成する目的に応じて設定することが大切です。まずどのような目的でデータカタログを作成するのかを明確にした上で、どの範囲のどのようなデータが必要なのかを決めましょう。それを踏まえて、目的に適したメタデータの種類を選定します。

運用体制の構築と継続的なメンテナンス

運用体制の構築と継続的なメンテナンスも、データカタログ導入に当たっての課題です。

データカタログは作成して終わりではなく、継続的にメンテナンスやアップデートを行い、最新の状態を維持する必要があります。データカタログの品質が低下すると、データの正確な利活用ができません。

作成したデータカタログを有効活用できるように、導入前に運用体制を構築し、継続的にデータやメタデータの更新・変更を行いましょう。社員のフィードバックを参考にすると、より活用しやすいデータカタログに改善できます。

部門間でのルール統一とデータ定義の共有

部門間でのルールを統一し、データ定義を共有することも、データカタログの導入には欠かせません。

社内でデータの入力ルールを統一しないと、データの整合性を確保できません。すると、データカタログを作成しても、必要なデータが見つからなかったり、データの統合・分析が難しくなったりしてしまいます。

有用なデータカタログを作成するために、社内でデータ入力のルールやデータの定義を統一し、周知しましょう。

社員への教育・啓発と利便性の担保

社員への教育・啓発と利便性の担保も、データカタログ導入時の課題です。

データカタログを作成しても、社員に利用してもらわないことには、効果を発揮できません。利用を促進するためには、社員に対してデータカタログの利用に向けたトレーニングを実施し、活用するように意識付けをしていく必要があります。

また利便性を担保する上では、データカタログの使いやすさも重要です。直感的な操作性やヘルプ機能の有無を確認し、専門知識を持たない社員でも活用できるデータカタログにしましょう。

データカタログの活用事例

最後にデータカタログの活用事例を3つ紹介します。

大企業での全社横断的なデータの可視化

多くのグループ会社を持つある企業では、グループ会社ごとに保有している情報資産の管理や活用に課題を抱えていました。

データカタログを導入し、全社横断的にデータを可視化したことで、グループ会社の連携事業を効率的に進められるようになっています。またグループ共通のデータ基盤の整備にも成功しました。可視化したデータをグループ全体の経営判断に生かすことで、意思決定のスピードにも良い変化が見られています。

データ検索を容易にし、担当者の業務負担を軽減

金融系のある企業では、データと業務の関連についての情報が公開されていない状態でした。またデータに関する問い合わせに対応できるのが、特定の担当者のみで、担当者の業務負担が増大すると同時に、属人化への懸念がありました。

データカタログを内製化し、導入したことにより、データに関する情報を容易に検索できるようになっています。メタデータを参照すれば、どこに情報が保存されているかも調べられるため、担当者への問い合わせを減らすことにも成功しました。必要とするデータを見つけるまでの時間が削減された上、担当者の負担が軽減し、生産性向上につながっています。

社員の意識が変化し、データ活用が活性化

ITサービスを提供しているある企業では、データ活用基盤を構築したものの、データの保管場所が分かりにくく、十分なデータ活用ができていませんでした。そこで、データの活用を促進するために、データカタログの内製化を行いました。

データカタログの導入により、社内でDX推進が実現し、営業部やマーケティング部で、自主的なデータ活用が進んでいます。またデータカタログに実データ検索機能を持たせたことにより、検索にかかる時間が短縮されました。

まとめ:データカタログを整備して、効果的なデータ利活用戦略を立てよう

企業が抱える膨大なデータのメタデータを集約し、検索性を高めるデータカタログは、データ活用と管理の両面を支援する重要な情報インフラです。全社的なデータの利活用戦略を立てるには、データカタログを早期導入し、継続的に運用していくことが重要になります。データの活用が思うように進んでいないのなら、データカタログの導入を検討すると良いでしょう。

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