社内FAQとは? 導入メリットや作り方に加え導入事例を解説
2024.9.26
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インターネット経由で利用できる問い合わせ業務効率化ツールが「SaaS型サービスデスク」です。端末や場所を問わず利用できるSaaSと、問い合わせ業務の一元管理を可能とするサービスデスクツールの両方の特徴を併せ持つ点がメリットです。SaaS型サービスデスクの導入により、問い合わせ業務の効率化が期待できます。
本記事では、SaaS型サービスデスクとは何か、導入のメリットや企業にもたらす影響、ツールの選び方を解説します。
目次
SaaS型サービスデスクとは、インターネット経由でサービスデスク業務をサポートできるサービスです。「SaaS型サービスデスクツール」や「SaaS型ヘルプデスクツール」と呼ばれることもあります。
サービスデスクはユーザーの利便性向上のために重要な部門です。しかし、情報の一元管理が難しく、運用コストがかかるなど、さまざまな課題を抱えています。
これらの課題解決に役立つのがSaaS型サービスデスクです。SaaS型サービスデスクならサーバー構築やソフトウェアが不要なため、初期費用を抑え、手軽に導入できます。またWordやPDF、CSVファイルなど、保存形式がばらばらで分散しているデータも一元管理できるため、ユーザー側・運用側双方の利便性の向上が可能です。
ここではSaaSとは何か詳しく解説した後、サービスデスクの役割を紹介します。
SaaSとは、「Software as a Service」の略称で「サース」または「サーズ」と読みます。インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスで、クラウド型サービスの一種です。なおクラウド型サービスとは、ソフトウェアだけでなく、インフラやストレージなど、さまざまなサービスをインターネット経由で提供する事業です。
以前はソフトウェアを利用する場合、CD-ROMなどに収録された、ライセンス販売されているパッケージを購入し、個別にパソコンにインストールして起動する必要がありました。
SaaSでは、ユーザーはネットワーク経由でクラウド事業者が起動するソフトウェアを利用します。CD-ROMをはじめとするパッケージを個別に購入する必要はなく、利用契約をすればすぐにサービスを開始できます。なお、費用は一括購入ではなく、月額利用料を支払って使うものが多いです。
SaaSと似たサービスのそれぞれの特徴や違いは以下の通りです。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
IaaS(イアース/アイアース) | デジタルインフラ(メモリー、ストレージなど)を提供するサービス。 |
PaaS(パース) | プラットフォームを利用できるサービス。 |
ASP(エーエスピー) | SaaSと同義語。SaaSはソフトウェア、ASPはソフトウェアの提供事業者を指す場合が多い。 |
サービスデスクとは、ユーザーの問い合わせに対応する専用の窓口で、一般消費者向けだけでなく社内向けのものもあります。従って、業務内容も商品・サービスの説明、パスワードの変更、システムトラブルの解決と多岐にわたります。
サービスデスクの役割は、ユーザーが抱える悩みやトラブルの早期解決です。例えば、社内向けサービスデスクなら「在宅勤務中だが周辺機器の接続方法が分からない」といったネットワーク関係の問題から、「長期休暇の申請ができない」など勤労管理に関する質問までさまざまです。
サービスデスクを一本化すれば、トラブルの進捗状況が明確になり、円滑な問題解決が期待できます。またノウハウが蓄積されて対応精度が上がるため、ユーザー満足度の向上にもつながるでしょう。
サービスデスクとヘルプデスクは、どちらも問い合わせ窓口である点は同じものの、業務範囲が異なります。
サービスデスクはあらゆる問い合わせを受け付け、解決することが主な業務です。もし、自部署だけで解決できなければ他部署に引き継ぎ、解決案をユーザーに報告するのが一般的な流れです。そのため、ユーザーにとっての汎用性・利便性は、後述するヘルプデスクよりも高いといえるでしょう。
一方、ヘルプデスクはサービスデスクよりも専門性の高い対応に特化している点が特徴です。専門的な問い合わせに対し、問題が解決するまで対応します。例えば、パソコン修理のように特定の製品もしくはシステムに関わる専門知識を要するケースなどです。
なお、企業によっては特に呼び方を区別しないこともあります。
製品を問わず、SaaS型サービスデスク全体に共通する特徴には以下があります。
簡単に導入できアクセスもしやすい
機能追加や性能が向上しやすい
なお、サービスデスクで利用できる主な機能は以下の通りです。SaaS型では、これらの機能をソフトウェア型より手軽に利用できます。
機能 | 内容 |
---|---|
チャットボット機能 | ユーザーの質問に自動で返答する機能。AIを搭載したものもある。 |
FAQ機能 | よくある質問と回答をまとめられる機能。データ学習により、自動生成できるものもある。 |
レポート機能 | 問い合わせ内容や対応方法など、必要な情報を自動でレポート化する機能。 |
エスカレーション機能 | 他部署にエスカレーションし、そのやり取りを可視化する機能。 ※サービスデスクにおいてエスカレーションとは、担当者が解決できない問題をより専門的な知識を持つ部署へ移行すること |
ステータス機能 | 「対応中」「対応済み」など、問い合わせに対する処理状況を確認できる機能。 |
ナレッジ管理機能 | 個人や部門のスキルやノウハウを全体で共有できる機能。 |
SaaS型サービスデスクを導入する主なメリットは次の通りです。
サービスがすでに構築されているため、導入が簡単で稼働も速やかです。オンプレミス型のように自社でシステムを構築する必要がなく、機能はすでに整った状態で導入できます。そのため、問い合わせから見積を依頼し、仮契約が終わればすぐに本契約で導入が可能です。
またオンプレミス型は導入まで数カ月~数年程度かかるケースもあります。一方で、クラウド型のシステムなら本契約後はすぐに利用できるので、業務改善を迅速に進められます。
SaaS型サービスデスクは金銭的コストの削減にも効果的です。すでにサービスが出来上がっているため、オンプレミス型と比べ導入費用を抑えられます。
利用料は月額費用やオプション費用のように用途が明確で分かりやすく、管理も容易です。またメンテナンス費用やサポート費用は通常、月額費用に含まれるので、後から高額な費用を請求される心配もありません。
インターネット環境があればデバイスや場所を問わず利用できます。従業員の出張が多い企業だけでなく、リモートワークを導入している企業や、従業員一人に対し複数のデバイスを支給している企業とも好相性です。
なお、クラウド型であれば、管理画面・利用画面共にデバイスや場所を選ばず使えるので、ユーザーにも管理者にもメリットがあります。
SaaS型サービスデスクのアップデートやサーバー管理は、ベンダーが行います。導入後は常に最新の状態が維持でき、新機能も自動で追加されるのが魅力です。
システム開発を含むメンテナンスコストや人的コストが削減できるため、導入した後はサービスデスク業務に専念できます。
インターネットを経由するのでリアルタイムの情報が共有できます。現時点の進捗情報が共有できれば、迅速な対応が可能です。また対応済みの案件に誤って再対応するなど、単純なミスの防止も可能です。
FAQや辞書情報など、複数人で編集できる機能があれば、ノウハウの共有漏れを防ぐ上でも役立ちます。
SaaS型サービスデスクを導入すれば、ユーザー満足度を高められるだけでなく、業務改善にも役立ちます。また情報を一元管理できるため、業務の属人化を防いだり、部門間の連携を強化したりできます。
ここではSaaS型サービスデスクが企業に与える影響について見ていきましょう。
SaaS型サービスデスクを導入すれば、サービスデスク部門全体の活動の可視化が可能です。加えて案件の進捗状況だけでなく、頻度の高い問い合わせや、チャットの利用頻度などのデータ化もできます。これらのデータを活用すれば、問い合わせの多い質問のFAQを充実させるなど、業務改善にもつながるでしょう。
さらにAIを搭載したサービスデスクツールであれば、データ分析やFAQの作成のような手間のかかる作業を自動でできるので、生産性の向上にも貢献します。
SaaS型サービスデスクを導入することで業務の方法や流れを一元管理できるため、属人化を防ぎ、プロセスの標準化を促します。サービスデスクは多忙かつ対応が多岐にわたることから、簡単に情報共有できる仕組みがないと属人化が起きやすい部門です。担当者ごとに回答精度の差が生じれば、ユーザー満足度の低下につながるだけでなく、ベテラン担当者に問い合わせが集中する恐れもあります。
サービスデスクツールは情報共有や編集が容易で、業務の標準化を促せます。担当者ごとのスキルの差を埋められるだけでなく、引き継ぎやすい点もメリットです。
問い合わせ対応を一元管理することで、部門間の連携強化にもつながります。
サービスデスクで対応できない問い合わせは、他部門へのエスカレーションが必要です。しかし、適切な管理方法がなければ他部門への引き継ぎからクローズまでに時間がかかってしまいます。
SaaS型サービスデスクはインターネット環境さえあれば利用できるため、他部門の担当者も問い合わせから現在の対応状況まで確認できます。円滑な情報共有により、エスカレーション先の担当者も処理しやすいでしょう。
SaaS型サービスデスクの導入により、サービスデスクや連携する部門の業務を効率的に回せれば、結果としてユーザー満足度の向上につながります。
ユーザー満足度を上げる項目はさまざまあり、「問い合わせ対応の品質」もそのうちの一つです。サービスデスクツールを導入すれば、顧客の疑問に可能な限り素早く・正確に・丁寧に対応できるため、品質向上に役立ちます。
SaaS型サービスデスクは、ベンダーによりさまざまなタイプがあります。導入するに当たり確認しておくべきポイントを紹介します。
SaaS型サービスデスク導入時には、月額利用料の他に初期費用が必要です。導入費用は金額が一律のこともあれば、見積後に決定することもあるため、事前に確認しましょう。
ほとんどのツールでは、月額利用料はプランにより異なります。一般的には、利用アカウント数や機能でプランを分けているケースが多く、導入前に確認しておくことが大切です。
操作画面は、ユーザー側と運用側の双方が使いやすいことが大切です。ユーザーが使いにくいSaaS型サービスデスクは、導入しても活用されない恐れがあります。直観的に操作できたり、あいまいな表現で検索できたりするとよいでしょう。
また運用側が使いにくいツールは、サービスデスク業務が滞ります。ノーコードで事前準備やチューニングができるなど使いやすいことが大切です。
WordやExcel、PowerPointなど、社内ドキュメントをそのまま利用できれば、導入時の事前準備の負担を大きく軽減できるでしょう。SaaS型サービスデスクツールによっては、学習データにシナリオやFAQの作成が必要なものもあります。これでは、事前準備に時間と労力がかかってしまう恐れがあります。
その点、ファイル形式を問わず、ドラッグ&ドロップで学習データをアップロードできるツールであれば、大きな手間をかけずに準備できるでしょう。
AI機能があれば、サービスデスク業務をより効率化できます。例えば、各ページのタグ付けのように手作業では膨大な時間がかかる業務も、AIであれば自動で生成・付与できます。
なお、AI機能が付いたツールといっても、自社で開発したAIを使えるタイプや、OpenAI社のChatGPTを使えるものなど、さまざまです。どのようなAIを搭載、または利用できるのか確認しましょう。
サービスデスクへの問い合わせは、SNSなどのチャットツールと連携しているとより使いやすくなります。一般消費者だけではなく、企業でも普段の業務ではLINEやSlackなどのSNSツールを利用することが多くなりました。
専用の問い合わせページにアクセスしなくても、SNSから問い合わせができれば、早期解決につながりユーザー満足度の向上につながります。
クラウド型サービスは、セキュリティー対策が特に重要です。オンプレミス型のように自社でシステムを構築していない分、ベンダーのセキュリティー対策に依存する部分が大きいためです。
ネットワークのセキュリティーやインフラストラクチャの保護の他に、ベンダー内で物理的なセキュリティー対策が施されているのかも確認しましょう。
導入前後で継続してサポートが受けられるのかも確認すべきポイントですSaaS型サービスデスクは学習支援などが必要なため、導入前はサポートを受けられるのが一般的です。専任のサポートチームを設けているベンダーなら、コンサルティングも任せられるでしょう。
導入後も電話やメールなどで都度不明点を確認できるサポート体制が整ったサービスがおすすめです。サポートが充実していれば疑問をいつでもすぐに解決でき、社内に専門のシステムスタッフを設置せずともサービスデスク部門のみで対応できるでしょう。
SaaS型サービスデスクとは、インターネットを介して利用できるサービスデスクツールです。サービスデスクツールの導入により、問い合わせ対応の効率化が図れるため、結果としてユーザー満足度の向上につながります。
社内DXを促進するamie AIチャットボットは、既存の社内ドキュメントやWebサイトを活用できるため、2ステップで簡単に設定できます。回答候補はサムネイル付きで表示できるなど、直感的に欲しい情報を確認できる使いやすさもポイントです。
社内のサービスデスク業務効率化にお悩みの方は、ぜひ以下よりお気軽にお問い合わせください。