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Interview

導入事例インタビュー : 株式会社NTTドコモ

株式会社NTTドコモ スマートライフ戦略部の斎藤氏・神安氏・小谷氏
早期構築とメンテナンスの容易さが導入の決め手に 利用者に寄り添ったAIチャットボットamie

株式会社NTTドコモ

スマートライフ戦略部

業種
通信事業
スマートライフ事業
従業員数
5,000名~
利用したデータ
  • Word
  • Excel
  • Power Point
  • PDF
  • CSV
  • Webサイト
過去の問合せ履歴のCSVファイル
Webサイト
各サービスごとのよくある質問ページやFAQのページ情報
またサービス全体のお知らせページ

2022年1月にNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)を子会社とし、新たなグループを設立した株式会社NTTドコモ(以下、NTTドコモ)。そんな変革期に、「amie」が今まで抱えていた課題を解決するために導入されていた。NTTドコモはどのようにしてDX化による改革を行なっていったのか。
スマートライフ戦略部の斎藤 剛 氏、神安 由之 氏 、小谷 勇太 氏に取材を敢行。NTTドコモが目指す展望や「amie」を導入した結果について、さまざまな角度から質問をした。

AIチャットボットは単なるコスト削減ではなく 顧客満足を高めるシステム

今回は導入いただいたAIチャットボット「amie(アミー)」は、お客様の声を収集するチャットボットの仕組みですが、そこに至られた経緯をお話しいただくにあたって、まずは会社概要や部門ミッションについて伺わせてください。

斎藤部長:弊社は「新しいコミュニケーション文化を創造する」という理念からスタートしています。元々は電気通信業で当然この事業が軸にはなってくるのですが、全体としては3つの軸で事業を進めています。ひとつは先ほどお伝えした電気通信業。もうひとつが法人事業。そして、私たちが行なっているスマートライフ事業です。

スマートライフ事業というのは、ある意味「繋がり」の世界を更に進化させていくビジネスです。「もしもし。はいはい」で人が繋がる世界だけではなく、財布と人を繋ぐ「おサイフケータイ」であったり、クレジットカードの事業であったり。人と音楽が繋がれるよね、人と映像が繋がれるよね、というように一つひとつの価値を「繋がり」という形で進化させてきました。

そのスマートライフ事業が今後のNTTドコモの進化を担っている部門で、大きな成長を社内外から期待されています。実は、NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアの3社は、新ドコモグループとして1つとなり「サービスの創出・開発力の強化とDX推進」などを掲げました。通信以外の領域で全体収益の50%以上を、2025年度までに目指しています。柔軟でスピーディーな経営を行い、成長の加速と更なるカスタマーファーストの実現を目指すため、社内カンパニー制を導入。スマートライフ事業もひとつのカンパニーになります。そのような中、私たち事業推進担当としても社内DX化を推し進め、サービス部門が顧客貢献に専念できる環境づくりを目標にしています。

株式会社 NTTドコモ スマートライフ戦略部 カンパニー事業推進担当 担当部長 斎藤 剛 氏

私たちのミッションは、サービス主幹が戦略や企画などに集中できる仕組みを作り、サービスの品質向上や収益改善に貢献すること。協働者稼働の集約や共通基盤の運用で コストの効率化を行い顧客貢献してきました。AIチャットボットはそのひとつの施策で、社員業務の代替としての業務効率化はもちろん、お客様のフロントに立ってサポートを行い、お客様への理解を促進できるツールです。単なるコスト削減ではなく、顧客満足を高めるシステムという点でも重要な位置づけと捉えています。

複数あるサービスを横断して回答可能 お客様が24時間自己解決できる仕組みづくりへ

AIチャットボットや自動化の活用に至った背景や、当時お持ちだった課題について、教えてください。

斎藤部長:「繋がり」にはさまざまな形があります。そのため、スマートライフ事業では、たくさんのビジネスが立ち上がってきました。個人商店がたくさんあるイメージで、ビジネスが乱立している状態だったと言えるかもしれません。その多くのビジネスをいかに効率良くするかがテーマになっていて、DX化は一つのトピックになってきました。今までは個々のビジネスが個別にお客様対応をしてきたのですが、お客様には質問ひとつ取っても、単体のサービスで収束しない場合があります。例えばポイント施策などについてです。「ポイントをどうやって使ったらいいのか?」という質問には、個別のサービスでは対応しづらい部分がありました。

神安課長:今までサービス主幹は、多忙でやらなければならない業務がたくさんあり、問合せの分析時間をしっかりと取ることが難しかったのです。その結果として、お客様の声をサービスの改善に活かしきれていないことが実状でした。

株式会社 NTTドコモ スマートライフ戦略部 カンパニー事業推進担当 担当課長 神安 由之 氏

NTTドコモのサービス主幹の課題としては、FAQやキャンペーンなどの最新情報について継続的に更新する稼働が取れていないことがありました。また、お客様から来た問合せをタイムリーに分析して返答できていない状態でもあったのです。一方お客様にとってみると、「サービスの問合せ先がよくわからない」「問合せ時にたらい回しにされる」といったことも。弊社にはサービスがたくさんあるので、どこに何を問合せたら良いかが、ホームページを見てもわかりづらいんですよね。そういう流れの中で、お客様が24時間365日知りたいことをすぐに自己解決できる仕組みとして、AIチャットボットの導入について検討を始めました。

問合せ業務の集約による標準化・最適化

業務改善のために、具体的にはどういった取り組みをされたのでしょうか?

神安課長:各サービス主幹によって事業が異なるのですが、お客様からの問合せ業務は共通していました。そのため、これまでは各サービスが個別に対応していた問合せ業務を、まず我々のチームに集約したのです。そして、各サービスは我流に進化してきた部分があったので、要望を汲み取って問合せ業務プロセスの標準化や最適化を進め、効率を上げていきました。さらに、人手を介していた作業の一部について、できるところはどんどんロボットによる業務の自動化に取り組んだのです。これらの改善に加え、問合せサポート業務のDX推進として、お客様からの問合せ受付の一元化と自動化に向けて、共通基盤を入れることになりました。その共通基盤というのが、AIチャットボットと問合せ管理システムです。

さきほどの話と重複するのですが、弊社が抱えていた課題は大きく3つでした。「問合せ時のお客様のたらい回しを防止すること」「メンテナンスに手間をかけず情報鮮度を保つこと」 「お客様の生の声をタイムリーに分析すること」。この課題解決のためにAIチャットボットに求める機能として、「数多くあるサービスを横断し回答できること 」「情報鮮度を保つために最新のFAQやキャンペーン情報のWebクローリングができること」 「問合せログの分析が可能なこと」を要件とし、さまざまな企業に提案をいただきました。

Webクローリング可能な検索型チャットボットamie

いろいろと比較検討された中で「amie」を選ばれたわけですが、どこが魅力的だったのでしょうか?

小谷さん:amieに出会ったのは2020年のチャットボットに関する入札に参加いただいたことがきっかけですが、提案書を見た段階でまさに我々の求めるところを捉えていて気になりました。約20社ご提案いただいたのですが、amieの魅力は従来のシナリオ型と異なる検索型チャットボットであったことと、Webクローリングによるメンテナンスの容易さです。また、早期に構築できることにも驚きました。さまざまな提案がある中で、amieの場合はすぐにデモを見せてくれたのです。「NTTドコモのサービスで仮に作ってみました」という形でご提案いただいたので、本当にスピーディーにできるのかなと感じました。

デモ環境をすぐに構築できる説得力と メンテナンスの容易さが課題改善に貢献

実際に使われてみてどうでしたか? チャットボット導入による変化なども聞かせてください。

小谷さん:使用してみて実感した最大のメリットは、早期に構築できることでした。各サービス主幹に、「実物としてはこうです」「我々の方でメンテナンスをやらせていただくので各サービス側での負担はありません」と、デモを実施しながら説得できる。これが改善活動を広げていく上で役立ちましたね。

株式会社 NTTドコモ スマートライフ戦略部 カンパニー事業推進担当 小谷 勇太 氏

2022年3月時点、9サービスで導入利用し、お客様からのWeb問合せは減少傾向にあります。一方で、チャットボットが答える問合せ件数を12倍まで伸ばせた事例も。そのサービスでは元々あったWeb窓口の問合せが、月に1,000件ぐらいでした。それに対してチャットボットへの問合せが、月に1万件を超えたのです。これが何なのかというと、メールフォームに問合せるほどではない、不満や困っていることがあったのではないかなと。チャットボットは機械が相手で気軽なので、Web窓口よりも率直な声が届いたのだと思います。

従来のシナリオ型チャットボットだと選択肢を選んでいく形で、ある程度こちらが想定していた質問をお客様が答えることになります。しかし、今回導入したamieはフリーフォーマットで自由に入力ができるタイプなので、想定してなかった質問も多く集まりましたね。また、今まではお客様からの問合せに対して早く回答を返すことに時間を取られていましたが、お客様からいただいた声を受け止め改善することに稼働をシフトできました。

斎藤部長:事業を進化させるためにはお客様の声が必要です。私たちにとっては声をたくさん拾えることの価値が、ものすごく大きいのです。

そして、デジタル化の中で何が大切かと言われると、個々のビジネスユニットにとっては「導入しやすいかどうか」「継続しやすいか」がとても重要になってきます。従来のチャットボットは「維持メンテナンスをしていくとチャットボットが進化していきます」という製品が非常に多いのですが、言語解析するための維持メンテナンスを一生懸命やり続けなければならないと、本業とは離れていきます。その点今回ご縁をいただいたamieは、すでにあるFAQやキャンペーンなどのサイト情報をベースにできるので、手間があまりかかりません。

寄り添った提案と手厚い支援で高い回答精度を維持

私たちと一緒に取り組んだ感想などをお願いします。

小谷さん:我々の課題感を非常によく捉えてくれ、寄り添った提案をいただき非常に感謝しています。チャットボットの提案をお願いした際、作って終わり、みたいな提案がなかったわけではありません。そんな中で、課題を一緒に解決してくれるパートナーだなという印象がすごくありました。二人三脚で取り組めたのでありがたかったです。今後も当社のサービス特性への深い理解や、B to C向けサービスの導入に求められる機能品質などについてベクトルを合わせ、一緒に進めていきたいと思います。

神安課長:もうある意味ワンチームでしたね。我々は導入時からチャットボットの回答精度に拘ってきました。サービス主幹を納得させなければなりませんから。ゴーを出してもらえるよう、意識合わせを重ねていったのです。サービス主幹や我々の要望を汲み取って綿密なチューニングを繰り返し、 徐々に回答精度が向上していきました。要望は出るけどすぐ解消する。それをずっと貫いてきましたね。結果、リリース時には高い回答精度が得られるようになりました。サービスイン後も、我々の目線に立ち、密なコミュニケーションを取っていただいています。機能の追加修正や、我々が実施するチューニングへの手厚い支援があるので、非常に高い回答精度を維持することができていますよ。

事業成長への大きな価値

「amie」の取り組みが、社内で表彰されたと伺いました。

斎藤部長:弊社の中でチャットボットのソリューションはたくさんあるのですが、スマートライフ事業に適したこの仕組みが、私たちの事業成長に非常に大きな価値があるものだということで、本部長表彰をいただきました。さきほどお客様の声が従来の問合せの12倍取れているという話がありましたが、これはすごいことなんですよ。お客様の声というのは、実は予兆です。キャンペーンについて何か聞いている人は、何らかの不満を持っているということじゃないですか。私たちが行っている月額サービスは、入っていただくお客様と解約されるお客様のバランスで成立しているのですが、不満がなくなり解約が止まるだけで、ものすごく事業効果が大きいのです。そういう一つひとつのお客様の声という宝の山を、どう消化していくか。これから私たちNTTドコモは、成長しなければなりません。

まだまだ伸び代があるamie

最後にこのプロジェクトの総括と、今後amieに期待することを伺ってもいいですか?

小谷さん:amieを導入したらWebフォームからの問合せが減るだろう。メンテナンスの手間が減ればサービス主幹が負担なくやっていけるだろう。そういったところはある程度確信はあったのですが、想像以上だったのは、「お客様のことをこんなにも知れるんだ」ということ。さらに言うと、「その声をサービス改善に活かせる」ことです。チャットボットで問合せのハードルを下げることで、こんなにもお客様の情報が取れたのは、すごく意外な発見。予想以上の効果があり、チャットボットを中心とした問合せと分析のサイクルを、みなさまとともに作り上げられました。変化が激しい社会環境の中、これからも一緒にあるべきお客様対応を考えていきたいです。

神安課長:我々の思い描く問合せサポートの自動化はまだ途中です。ドコモが一体となって、1フェイスでお客様に向き合える環境を、さらに形作っていかなければなりません。今後もその実現のために、機能の拡充や追加などいろいろと注文をさせていただくかと思うのですが、一緒に製品が成長できれば良いなと感じています。amieはまだまだ伸び代がある製品。一問一答型のチャットボットを凌駕する製品になってほしいですね。

貴重なお話をありがとうございました。

※自治体・企業・人物名は、制作時点のものです。

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