チャットボットの種類はどのようなものがある? チャットボットの選び方も解説
2024.9.26
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近年、多くの企業や自治体がチャットボットを導入しています。チャットボットを導入することで、従来発生していた顧客からの問い合わせ対応の時間を削減可能です。
ただし、顧客からの問い合わせ対応の時間を削減できるのはチャットボットだけではありません。FAQシステムも導入によって顧客からの問い合わせ対応にかかる時間を削減できます。
本記事ではチャットボットとFAQの特徴や用途、両者の違いなどを解説します。どちらを導入しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
チャットボットとは会話を意味する「Chat(チャット)」とロボットを意味する「bot(ボット)」を組み合わせた単語です。単語の成り立ちから分かる通り、チャットボットはユーザーがボットとコミュニケーションを重ねるシステムを指します。
FAQシステムのFAQとは、「Frequently Asked Questions(よくある質問)」の頭文字を取った略語です。FAQシステムにはユーザーなどから頻繁に寄せられる質問がまとめられています。
ユーザーとボットがコミュニケーションを図るチャットボットには次のような特徴があり、それぞれの特徴を生かした用途があります。
チャットボットでは、ユーザーがボットと双方向に対話を進めることが可能です。例えば、ユーザーが商品の価格についてチャットボットに質問すると、ボットが対象の商品の価格を回答してくれます。このようなインタラクティブな対話が可能なため、チャットボットにはユーザーの自己解決サポートといった用途があります。
ユーザーからの問い合わせ対応にチャットボットを導入すれば、全ての問い合わせに人が対応する場合と比較して、問い合わせ対応にかかる費用の削減が期待できるでしょう。
チャットボットは、製品にもよりますがさまざまな機能に対応しています。具体的には以下のような機能です。
機能 | 概要 |
テキストによる応答機能 | ユーザーがテキストで入力した質問に対してテキストで回答する |
音声入力機能 | ユーザーが音声で入力した質問に対して回答する |
多言語機能 | 日本語以外の多言語での質問に回答する |
有人切り替え機能 | ユーザーの問い合わせに対応できなかった場合、従業員による回答に切り替えられる |
外部システムとの連携機能 | 在庫管理システム、人事管理システムなどの外部システムと連携できる |
例えばチャットボットと外部システムであるWeb接客システムとを連携させることで、ユーザーそれぞれに合わせた対応が可能になります。
チャットボットの中には、自ら学習する機能が備わっているシステムもあります。学習とは、ユーザーとのやり取りを通じて、今後のより良い対応を学ぶことです。
学習機能を備えたチャットボットをサイトに搭載すれば、ユーザーのニーズを自らが学習して、より顧客に寄り添った提案ができるようになるでしょう。
FAQシステムには次のような特徴があります。
上記のような特徴を備えているため、FAQシステムはユーザーの自己解決を促すだけでなく、企業内で業務中に発生する疑問に対して回答するシステムとしても活用可能です。
ここではFAQシステムの特徴について解説します。
FAQシステムで提供されるのは、どのユーザーに対しても表示内容が変わらない静的な情報です。そのため、FAQシステムを活用するユーザー自らが、自分の求める情報を探し出す必要があり、ユーザーの自己解決を促進させます。
FAQシステムに掲載されている情報は一貫性が保たれています。そのため、FAQの内容が変化することはなく、全てのユーザーに対して同じ情報を提供可能です。例えば別々の従業員が社内FAQシステムを使って業務フローを調べた場合、どちらにも同じ回答が示されます。全てのユーザーに同じ回答を示すため、標準的な内容になるのが一般的です。
一般的にFAQシステムには検索機能が備わっています。FAQシステムの検索機能を活用することで、ユーザーはカテゴリやキーワード、フレーズから、自分の質問や求めている回答を検索可能です。
検索機能が備わっているFAQシステムを導入することで、ユーザーは自らの質問を検索できるため、窓口への問い合わせ件数を削減できます。
チャットボットもFAQシステムも、どちらもユーザーからの問い合わせに対応可能です。しかし、両者には次のような違いが挙げられます。
項目 | チャットボット | FAQシステム |
情報の提供方法 | 対話型 | 静的 |
対応するタイミング | リアルタイム | 非リアルタイム |
提供する情報の内容 | 柔軟性がある | 一貫性がある |
チャットボットはユーザーとボットが対話した上で情報を提供するのに対して、FAQシステムはあらかじめ用意された静的情報を提供します。チャットボットの場合、対話によってユーザーが求めている情報をピンポイントで提示可能です。一方、FAQシステムではユーザーが提示したキーワードやカテゴリに応じた情報は全て提示可能です。そのため、多くの情報を提供したい場合にはFAQシステムが適しています。
チャットボットとFAQシステムでは情報提供のスピードも異なります。チャットボットの場合、ボットとの回答を通してリアルタイムで求める情報を取得可能です。一方、FAQシステムの場合、知りたいことをうまく言語化できないと求める情報に辿り着くまでに時間がかかることがあります。ただしFAQシステムの場合は、備わっている検索機能をうまく活用することで、情報提供にかかる時間の短縮が期待できます。
チャットボットとFAQシステムでは情報に柔軟性があるか、一貫性があるかが異なります。チャットボットの中でも自己学習機能が備わっているシステムであれば、自らが学習して柔軟性のある回答が可能です。
一方、FAQシステムの場合、一貫性のある回答を構築できます。例えばベテランスタッフの顧客対応フローをシステムに蓄積することで、担当者の経験や知識に関わらない一貫した顧客対応が可能です。
チャットボットとFAQシステムは、情報提供の方法やタイミングなどが異なります。それぞれの特徴を最大限に生かすには、両者を連携させるのがおすすめです。チャットボットとFAQシステムを連携させることで、ユーザーがチャットボットでは質問を解消できなかった場合、FAQシステムに案内可能です。その結果、ユーザー体験の向上が期待できるでしょう。また、既存のFAQがあれば、チャットボット作成のシナリオとして活用できます。
ここではチャットボットとFAQシステムの連携方法と実際の連携事例について解説します。
チャットボットとFAQシステムを連携する方法は大きく次の2通りです。
シナリオに沿って回答するシナリオ型チャットボットの場合、FAQシステムまでたどり着くシナリオを作成しましょう。ユーザーから寄せられるであろう質問と回答をシナリオとしてチャットボットに教えることで、ユーザーが求めている回答まで導けます。
シナリオを作成する際は文章が長くなったり、選択肢が多くなったりすると、ユーザーの離脱につながりかねません。そのため、添付ファイルやリンクなどを活用して分かりやすいシナリオを作成しましょう。
FAQシステムをすでに導入している場合、FAQの内容をシナリオとしてチャットボットに搭載可能です。FAQシステムの内容をチャットボットがユーザーに提示できるようになります。
ここからは大手企業の情報共有サイトで、AIチャットボットの導入により、検索性が大幅に向上した事例を紹介します。
同サイトでは、導入していたFAQシステムを用いた際に、検索キーワードによっては膨大な情報を提供してしまい、ユーザーが希望する情報を探し出すのに時間がかかっていました。そこで、チャットボットを導入・連携した結果、ユーザーとの対話からAIが質問内容を理解し、より関連性の高いFAQを絞り込んで表示できるようになりました。 例えば、「個人向け防災商品」に関する質問では、120件以上あった検索結果が6件に絞り込まれ、利用者の負担が軽減されたのです。
チャットボットとFAQシステムを選ぶ際は次のようなポイントを押さえておきましょう。
チャットボットとFAQシステムを選ぶ際は自社のニーズを分析しましょう。チャットボット、FAQシステムともにサービスによって備わっている機能が異なります。そのため、自社のニーズにふさわしくないシステムを選択してしまうと、本来の目的が達成できない可能性があります。
チャットボット、FAQシステムどちらも導入に当たっては費用がかかるのが一般的です。中には無料で導入できるシステムもありますが、利用できる機能の制限やセキュリティ対策が不十分な可能性もあります。
また多額の導入費用を支払っても、自社で使用しない機能まで備わっていたら、高い費用対効果は期待できないでしょう。そのため、自社で使う機能と利用可能なアカウント数などを確認して、高い費用対効果が得られるシステムを選択しましょう。
チャットボットやFAQシステムを選ぶ際は、サポート体制を確認するのがポイントです。24時間365日のサポートを提供しているベンダー(提供会社)であれば、夜間や休日であっても問い合わせ可能です。
またベンダーによっては問い合わせ対応だけでなく、チャットボットやFAQシステムの運用をサポートしてくれるケースもあります。システムの導入に不慣れな企業の場合、運用をサポートに対応するベンダーを選択しましょう。
チャットボット、FAQシステムともに導入前のトライアル期間が設けられているシステムがあります。トライアル期間が設けられているシステムであれば、従業員が導入前に操作性を把握可能です。導入によってどのようなメリットを得られるか、どのような注意点があるのかを判断しやすくなるでしょう。
チャットボット、FAQシステムどちらを導入するにしても、ベンダーによるセキュリティ体制は大きなポイントです。セキュリティに不備がある場合、顧客情報の漏えいやサイトへの悪意ある攻撃につながりかねません。そのため、アクセス制御や二要素認証などのセキュリティ対策を施しているシステムを選択しましょう。
チャットボットとFAQシステムでは、情報の提供方法や対応するタイミング、提供する情報の内容などが異なります。チャットボットとFAQシステムの特徴をともに生かすのであれば、両者を連携するのがおすすめです。2つのシステムを連携させることで、ユーザーの利便性を高められます。どちらのシステムを導入するにしても、ビジネスニーズの分析や費用対効果、セキュリティ体制などに着目して選びましょう。セキュリティが脆弱なシステムの場合、自社の情報漏えいにつながりかねません。
AIチャットボット「amie(アミー)」はファイルをアップロードするだけで、チャットボット初期導入時に発生するシナリオ作成の負担を軽減可能です。また、回答内容をサムネイル化して表示するため、回答が視覚的にも分かりやすくなります。チャットボット導入によって顧客対応の効率化などを検討している方は、ぜひご相談ください。