RPAでルーチンワークの課題を解決しよう! RPAが得意とする業務や導入のメリットを解説
2025.5.9
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デジタルデータの活用が増え、社内にはさまざまなデータが蓄積しています。データを活用しようと思っても、「必要なデータが見つからない」「どこにあるのか分からない」という課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
そのような企業におすすめなのが、エンタープライズサーチです。
本記事では、エンタープライズサーチの基本情報や主な機能、導入のメリットや課題、活用事例を解説します。エンタープライズサーチを導入し、課題解決を実現している企業は近年増加傾向にあります。データの管理・運用にお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
エンタープライズサーチとは、社内に散在するさまざまなデジタルデータを、保管場所にかかわらず一括で検索できるシステムです。「企業内検索エンジン」や「企業内検索システム」とも呼ばれます。
社内には膨大な量のデジタルデータが存在しています。従来、その中から必要なデータを見つけるためには、それぞれの保管場所を確認する必要がありました。データを見つけるまでに時間がかかってしまうため、生産性の低下につながっているケースも少なくないでしょう。
エンタープライズサーチを導入すれば、ファイルサーバーやクラウドサービス、社内データベース、社内ポータルなどに散らばっている情報を、横断的に検索できます。インターネットの検索エンジンを使う要領でデータ検索ができるため、これまでよりもすばやく必要なデータを取り出すことが可能です。
エンタープライズサーチの仕組みは非常にシンプルです。
検索専用サーバーにインストールしたエンタープライズサーチのシステムを起動すると、クローラーと呼ばれるプログラムが検索対象となるデータが保管されたサーバーなどを巡回し、データ情報を収集します。
収集されたデータ情報からインデックスが生成され、検索専用サーバーに蓄積されます。散在したデータ情報が一つのサーバーに集約されるため、検索をかけると、インデックスに基づいて、関連性の高いデータが表示される仕組みです。
エンタープライズサーチの導入が注目を集めている背景には、社内で保管しているデータ量の増加があります。社内データは、一般的に取引が増えるのに伴って増大するため、把握しきれない量のデータが蓄積している企業も多いでしょう。
これに加え、近年はデータを保管するシステムの多様化が進み、ばらばらの場所にデータを保管している企業も少なくありません。その結果、データがあることは分かっていても、どこにあるのかが分からず、適切に活用できないといった課題を抱える企業は多いです。
またリモートワークをはじめとした働き方の多様化、社員の負担に配慮した業務分散化などが進められたことも、エンタープライズサーチが注目されている理由の一つです。これまでよりも迅速に情報にアクセスできることが求められるようになったことで、手間なくデータを検索できるエンタープライズサーチを導入する企業は増加傾向にあります。
エンタープライズサーチがナレッジマネジメントやDX推進の基盤となることも、注目度に影響しているでしょう。ナレッジマネジメントは、企業や社員個人が持つ知識やノウハウを活用する経営手法です。社内のデータをスピーディーに検索できるエンタープライズサーチは、ナレッジの活用の基盤として貢献します。
また社内のDX化を実現するには、データのデジタル化に加え、適切な管理が欠かせません。散在したデジタルデータを集約して管理できるエンタープライズサーチは、DX推進に必要不可欠な存在といえます。
エンタープライズサーチには、どのような機能が搭載されているのでしょうか。搭載されている機能はシステムによっても異なりますが、ここでは代表的な機能を紹介します。
機能 | 内容 | |
検索 | 横断検索 | ファイルサーバー・クラウドサービス・社内データベース・社内ポータル・メールなどに保管されたデータを横断的に検索する |
全文検索 | データの内容も検索対象として、キーワードが該当するデータを検索する | |
自然文検索(あいまい検索) | 短文や質問文などのあいまいな検索キーワードでも、類似したキーワードを含むデータを検索する | |
絞り込み検索 | データのファイル形式・日付・作成者など、条件を指定して検索する | |
重複検索 | 重複データを見つける他、重複していた場合は一つのみ表示する | |
サジェスト機能 | キーワード入力時に候補を出す | |
表記揺れ対応 | 「スマートフォン・スマートホン・スマホ」といったキーワードの表記揺れに対応する | |
サムネイル表示 | 検索したデータをサムネイルで表示する | |
ハイライト表示 | 検索したデータ内のキーワードをハイライトで表示する | |
セキュリティ | 閲覧制限 | 部署や個人などに閲覧権限を付与し、権限がないユーザーのデータ閲覧を制限する |
ユーザー認証 | ID・パスワードなどを使ってユーザー認証を行う | |
操作ログ記録 | 検索などの操作のログを記録する | |
シングルサインオン | 一度のログインで複数のシステムに同時にログインする | |
運用・管理 | 検索ログ分析 | 運用・改善に役立てるために、検索履歴や結果のログを分析する |
レポート作成 | 検索数や上位の検索キーワードなどを可視化して表示する | |
インデックス管理 | 検索対象データを定期的に自動更新する | |
更新情報の自動配信 | 特定の保管場所や文書の更新情報を自動配信する |
エンタープライズサーチを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。5つのメリットを解説します。
エンタープライズサーチを導入すると、業務効率化が目指せます。
データがどこに保管されているか分からない状態では、大量のデータから必要なデータを探すのは至難の業です。情報検索のスピードは個人の検索スキルに左右される面もあるため、欲しい情報がなかなか見つけ出せないこともあるでしょう。
エンタープライズサーチを導入すれば、検索対象としている保管場所の全てから、検索キーワードに関連する情報を探してくれます。情報検索にかかる時間を大幅に軽減できるため、業務効率化が実現し、社内全体の生産性も高められるでしょう。
あいまい検索やサジェスト機能、表記揺れ対応などを搭載したエンタープライズサーチを選べば、十分な検索スキルがない社員の業務効率化を支援することも可能です。
ナレッジ共有を活性化できることも、エンタープライズサーチ導入によるメリットの一つです。
エンタープライズサーチを活用すれば、これまで十分に活用できていなかったデータも有効活用できるようになります。既存の業務に関する知識やノウハウのデータを活用することで、社員一人ひとりがナレッジの重要性に気付くはずです。ナレッジ共有の意義を実感するようになり、自主的に共有を行う社員も増えてくるでしょう。
個々が持っていたナレッジが共有・活用されていくことで、さらなる業務効率化や生産性向上、利益アップなどを目指すことができます。他チームや他部署のデータに触れることがコミュニケーションのきっかけにもなるため、社内全体の活性化にもつながります。
情報漏えいのリスクを軽減できることも、エンタープライズサーチの導入によって得られるメリットです。
前述した通り、エンタープライズサーチには、閲覧制限機能が搭載されています。閲覧制限機能を活用すれば、限られたユーザーだけが機密性の高いデータにアクセスできるよう設定できるため、情報漏えいの防止につながるでしょう。
また操作ログ記録機能を活用すれば、万が一情報漏えいが発生した際に、原因を迅速に突き止めることが可能です。その後の対策が立てやすくなるため、情報漏えいが起きたとしても、適切な対応を取ることができるでしょう。
加えて、多くのエンタープライズサーチには、認証機能が搭載されています。外部からのアクセスを制限できるため、不正アクセスによる情報漏えいも防止することが可能です。
業務分析・改善に役立つことも、エンタープライズサーチのメリットです。
エンタープライズサーチには、検索ログを分析する機能が搭載された製品もあります。どのような検索が行われたか、検索した結果必要な情報が見つけられたかなどのデータを分析すれば、エンタープライズサーチの運用における課題が見えてくるでしょう。それを基にして運用方法や設定を改善することで、より効率よくデータを検索できるようになります。
エンタープライズサーチを活用すれば、データ管理の手間を省くことも可能です。
データを活用するためには、インデックスを常に新しい状態にアップデートして管理しなければなりません。しかし、データは日々増えていくため、手動で情報を管理するには、手間も時間もかかってしまいます。
エンタープライズサーチを活用すれば、定期的に検索対象となるサーバーなどを巡回し、情報のアップデートを自動で行ってくれるため、手動でアップデートする必要がなくなります。データ管理が簡単になるため、管理担当者の業務負担を軽減できるでしょう。
エンタープライズサーチの導入には、どのような課題があるのでしょうか。代表的な3つの課題と対策方法を解説します。
エンタープライズサーチ導入時の課題の一つに、スムーズなシステム連携ができないことが挙げられます。
多くのエンタープライズサーチは、既存ツールや社内システムとの連携が可能ですが、どのツールやシステムとの連携が可能かは、エンタープライズサーチのシステムによって異なります。また既存ツールや社内システムの中には、エンタープライズサーチとの連携に対応していないものもあるかもしれません。
スムーズなシステム連携を行うためには、導入するエンタープライズサーチの検討段階で、既存ツールや社内システムと連携が可能かどうかを確認することが大切です。今後導入するツールやシステムとも連携できるように、連携機能やAPIが充実したエンタープライズサーチを選んでおくと良いでしょう。
エンタープライズサーチに対応していないツールやシステムを使っている場合は、ベンダーに依頼して、連携できるように開発してもらう方法もあります。
検索精度を担保しにくいことも、エンタープライズサーチを導入する際の課題です。
システムの進化とともに、エンタープライズサーチの検索精度も徐々に高まっています。しかしデフォルトの状態では、検索しても思うようにヒットしないことも少なくありません。
精度をより高めるためには、自社でメンテナンスやアップデートを行う必要があります。検索ログを分析してキーワードの傾向をつかんだり、同義語などの辞書登録を行ったりして、改善を重ねましょう。
古いデータや類似データが多く残っている場合も、検索精度に影響を与えてしまいます。定期的にデータを精査し、不要なデータを整理することも大切です。
エンタープライズサーチを導入したものの、社内での活用が進まないことに課題を抱える企業も少なくありません。
エンタープライズサーチは、簡単にデータを検索できる便利なシステムですが、慣れるまでは使いにくさを感じる社員もいるかもしれません。検索しても思うように情報が見つからなければ、徐々に利用しなくなる可能性があります。またITリテラシーが十分でない社員の場合、利用すること自体に抵抗を感じてしまうこともあるでしょう。
社内で積極的に活用してもらうためには、社員全員がエンタープライズサーチの使用方法を理解できるよう、導入の際に研修を実施するのが効果的です。マニュアルやFAQも作成し、ヘルプデスクも整備しておきましょう。ITリテラシーが低い社員に対しては、別途トレーニングを行い、しっかりとサポートすることが大切です。
最後にエンタープライズサーチの活用事例を紹介します。
自動車部品の製造・開発を行うある企業は、社内アンケートを実施し、社員が「資料の検索に時間がかかる」「資料がどこにあるか分からない」という課題を抱えていることを把握しました。これらの課題を解決する策として、エンタープライズサーチの導入を決めました。
エンタープライズサーチの導入により、業務に欠かせない設計書や技術レポートの検索時間を大幅に削減することに成功しています。検索にかかる時間を社員一人当たり月10時間以上削減し、全体では1,400時間以上も削減する効果を得られています。業務品質が向上した他、リモートワークで働く社員とも、スムーズなナレッジ共有が行えるようになりました。
鉄道事業を展開しているある企業では、ナレッジの属人化に加え、現場で活用する図面の検索がスムーズに行えず、業務効率が低下していることが課題となっていました。
エンタープライズサーチの導入により、技術資料や教材のペーパーレス化を進め、リアルタイムでの情報共有により、ナレッジ共有がスムーズに行えるようになっています。また図面など現場で使用する資料をデータ化したことで、現場での保守作業中にも手間をかけずに必要な情報にアクセスできるようになり、業務効率化も実現しました。
技術商社のとある企業では、社内ポータルを中心にデータ管理をしていたものの、ファイルサーバー内にも情報が蓄積している状態でした。社内ポータルには検索システムを用いていたものの、ファイルサーバーは対象外で、必要なファイルを取り出すのに時間がかかり、業務効率の低下という課題を抱えていました。
エンタープライズサーチの導入により、保管場所にかかわらず、社内のデータから必要なデータをすぐに検索できるようになっています。全文検索が可能なシステムを導入したことで、これまで見落としていたデータも発見できるようになり、社内データの有効活用が可能となりました。
さまざまな場所に散らばっている社内データを横断的に検索できるエンタープライズサーチは、業務効率改善やナレッジ活用、DX推進に欠かせない情報インフラです。デジタルデータの管理・運用に課題を抱えているのなら、エンタープライズサーチの活用を検討してみると良いでしょう。導入を成功させるには、目的を明確に定め、適切な検索対象・運用体制を設計することが大切です。
社内にある膨大なデータを簡単に検索する方法を探しているのなら、「amie AIチャットボット」を活用するも一つの方法です。「amie AIチャットボット」を導入すれば、社内に散在するデータを一元管理できます。問い合わせの自動化もできるため、担当者の業務負担も軽減できるでしょう。30日間無料トライアルも実施しているため、データの管理・運用にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。